- ……父から使者が来た。バーガンディ領の
治安が急激に悪化しているらしい。
- そうか……シーワード、オールバニも
似たような状況らしいな。
- ああ。おかげで、うちの領地にまで
賊が流れてきて迷惑してるよ。
- 自力で治安を保てないなら、こっちに
応援を求めてくれりゃいいんだがなあ。
- あの三家は教団、帝国と支持する相手を
情勢に流されるまま次々に変えてきた。
- そして今回は連邦国設立に反対の立場。
それゆえに助けを求めづらいのだろう。
- その程度の話ならいいんだけどねえ……。
- ジュディットさん。
何か、気になることでも?
- 三家が共謀して、ファーガスへの転身を
図ろうとしてる……なんて噂もあるのさ。
- 領主たちは保身に走るばかりで、領内の
治安は二の次になっているのかもしれない。
- はは……ま、あり得る話ではあるよな。
- それと関係しているのかどうか知らないが、
西の国境付近に妙な連中も目撃されてるよ。
- 妙な連中?
- セイロス騎士団さ。
教団は今、王国に居候しているからね。
- まさか彼らが王国と三家の仲介を……?
それが事実なら看過できないが……
- 事実かどうかは、まだわからないさ。
ただ、治安が乱れてるってのは確かだ。
- すぐに連邦国直属の軍を動かして、
治安の回復に当たるとしよう。
- 待て。予め三家に使者を遣って
事情を聞くのが筋ではないのか?
- 事前の通知のみでいい。話を聞いたところで
適当な言い訳をされるだけだろう。
- 陛下、早速出陣かい。
円卓会議がないと話が早くていいね。
- そのために王様になったわけだからな。
ローレンツ、すぐに部隊を招集してくれ。
- 承知した。……いよいよ、連邦国として
動き出すことになるのだな。
- ああ。
新生レスターの始動だ!