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まったく……あの老いぼれめ。 先走って兵を動かすなど、愚かに過ぎる。
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大人しくしていれば、帝国軍の本隊と 合流して有利に軍を進められたものを……!
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それだけ、王国が中央教会を受け入れるのを 認められなかったのでしょうな。
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ロナート殿は、ご子息を教団に処刑され、 恨みを募らせておられましたゆえ。
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その割に、養子の一人は王家の騎士として 推挙したなどと言うじゃないか。
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かつてはイーハ大公の従者を 務めていたこともあるというし……
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奴が何を考えているのか、 私にはさっぱりわからん。
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おや、わしにはよくわかりますがなあ。 まず、中央教会と大司教への不信があり……
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王がそれを受け入れるならば、身をもって 諫めねばならぬ、というところでしょう。
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はあ……それに振り回される こちらの身にもなってみろというものだ。
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我が領土を皇帝が守ってくれるというから、 わざわざ王国を裏切ったのに……
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怒れるファーガス王の槍に、 領土ごと焼き滅ぼされては本末転倒よ。
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ははは、そうですなあ。 我らも覚悟を固めねばなりますまい。
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……仮にロナートたちが負ければ、そのまま アリアンロッドが攻められることだろう。
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その時はこの城を手土産に王国に帰参する。 ロナートが勝てば約束どおり帝国に寝返る。
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両国共が欲しがっているこの城があれば、 どちらに転ぶも容易かろう。
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おや、よいのですかな。その振る舞いは、 閣下の最も厭うところでは?
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フン、その白々しいところは変わらんな。 お前が言ったのだ、グェンダル。
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「死力を尽くして戦った」のであれば、 降伏しようと謗られることはないと……。