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陛下、よくぞご無事で。
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大事ない、心配をかけたな。それよりも、 西部の戦況について報告してくれ。
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は……今のところは戦線を維持し、 帝国の侵攻を防ぎ止めております。
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陛下が“白銀の乙女”に入城したと伝われば 兵の士気も大いに上がりましょう。
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それは王国軍だけではない。俺を追って、 皇帝が西部の軍に合流しているはずだ。
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……だが、いかに敵の士気が上がろうとも アリアンロッドは容易く落ちない、か。
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ならば、気がかりなのはむしろ レア様とセイロス騎士団でしょうか……。
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ああ、王国軍はセイロス騎士団と別れて、 西部の帝国軍に当たることになったが……
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その後の動向については聞き及んでいない。 無事にカムロスの本拠地まで退いたのか?
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いえ、それが……タルティーン平原北部にて 進軍を停止して、布陣している模様です。
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……連邦国軍を平原で迎え撃つつもりか。
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王国軍が西部戦線から離れられない以上、 籠城しても勝機なしと踏んだのでしょう。
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事実、今の王国軍には後詰の兵を 向けてやれるほどの余力がないからな……。
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ですがカムロスが落ちれば、その先にある 王都までレスターの手に落ちかねません。
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……万一に備えて、王都や周辺の民は すでにゴーティエ領へと避難させている。
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だがクロードには、 ファーガスを滅ぼす意図が……
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陛下、フラルダリウス公より言伝です。 帝国軍が攻勢を強めている模様……
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戦況をご確認のうえ、改めて諸将に ご指示を賜りたい、とのこと。
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わかった、すぐに行こう。
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陛下……やはり、中央教会を……。
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ギュスタヴ、俺たちが今為すべきは何だ。 何をしてでも、民を守ることではないのか。
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南方教会を受け入れ、帝国に屈すれば ファーガスは荒れ、多くの民の血が流れる。
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だが……そうした最悪の未来を避ける 選択肢を、連邦国が今まさに示している。
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他に、道はないのですね……。
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中央教会には返し切れない恩義がある。 俺は……どんな罰でも喜んで受けよう。
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だが俺は王として、一人でも多くの命を 守らねばならない。……許せ、ギュスタヴ。
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陛下……それがあなたの選んだ道ならば、 私は、その果てまで付き従いましょう。