link ローレンツ volume_up
アネットさん、ごきげんよう。 やはりここにいたのだね。
link アネット volume_up
こんにちは、ローレンツ。何か用?
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いやなに、君にぜひとも 伝えたい言葉があったのだよ。
link アネット volume_up
……え、何? もしかしてまた、 よくわからない口説き文句が飛んでくるの?
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いいや違う。僕は君の努力と活躍を、 大いに褒め称えたいと思ったのだ。
link アネット volume_up
え? ああ……うん。ありがとう? ……何? どうしたの、いきなり?
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戦場で、そして戦場の外でさえも、 君は素晴らしい活躍を見せている。
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その力は、弛まぬ努力によって 培われてきたものなのだろう。
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その素晴らしさは、君が貴族であろうと、 たとえ町娘であろうと変わりはしない。
link アネット
………………。
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どうしたのだね? 鳩が風魔法を受けたような顔をして。
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いや、誰だってびっくりするでしょ。 いきなりそんなふうに褒められたら。
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そこまで驚かれるというのも、 悲しい気がするが……
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僕はただ、己の本心を伝えたかったのだ。 君との間には、長らく誤解もあった。
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思っていることは、顔を合わせているうちに きちんと伝えておかねばなるまい。
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……ぷっ。あはは! ああ、おかしい!
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今度は笑い出して、いったい何だね? 僕におかしいところなどないだろう。
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ごめんごめん。ただ、ローレンツって こう見えて本当に真面目だなあと思って!
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む、こう見えて、というのは心外だが…… 君に嫌な思いをさせたくはないからな。
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……それにね。やっぱり、自分の努力を 認めてもらえるっていうのは嬉しいよ。
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昔、子供呼ばわりされて怒ったのも、 努力を否定されたようだったからで……
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あなたに認めてもらったら、ずっともやもや していたものが、すっきりした気がする。
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ローレンツって、ちゃんと人のことを見て、 評価してくれるんだね。
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当然だ。周りの者を正しく評価するのが、 上に立つ貴族の役目なのだからな。
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役目、か。……あたしも貴族の端くれだし、 そういうところは真似していかなくちゃ。
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それがいい。では互いの貴族像について 語り合うために、ここは食事でも……
link アネット volume_up
ああでも、そういうお誘いは遠慮しておく。 また幻滅しちゃうことがあったら困るし!
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そ、そうか。仕方あるまい。 では機会を改めて……
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それじゃ、あたしはそろそろ行くよ。 今ならもっと頑張れる気がする!
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………………。
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……まあ、いいだろう。仕方あるまい。 僕も彼女に倣って、諦めずに努力をするさ。
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それこそが、ローレンツ=ヘルマン= グロスタールのあるべき姿だからね。
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はーっはっはっはっはっは!