link ディミトリ volume_up
……さて、以前議題に挙げた作戦について 皆の意見を聞かせてもらいたい。
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俺としては、やはり兵力を集めて、 一息に砦を攻め落とすべきだと思うが……。
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ハッ、相変わらずの猪突猛進ぶりだな。 小勢で兵站拠点を狙えば、事足りるだろう。
link ドゥドゥー
………………。
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……おい、何か言いたげだな。 考えがあるなら言え。
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いや……特に、そういうわけではない。
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ほう、自分の考えはないと? 賛成か反対かくらい、口にしたらどうだ。
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あまり食ってかかるな、フェリクス。 それよりも、話の続きを聞かせてくれ。
link フェリクス volume_up
正面から攻めずとも、少数で忍び込んで 食料庫を焼けば痛手を与えられる。
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……兵糧の奪取を諦めることにはなるが、 他に兵力を回す余裕が作れる、か。
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だが、哨戒を掻い潜って火を放つなど、 そう容易くはないだろう。俺が手勢を……
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俺が、その役割を引き受ける。 それならば文句はあるまい。
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………………。
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……さて、作戦もだいぶまとまってきたな。 そろそろ一度、休憩にしようか。
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しかし何なんだ、貴様は。 先程から物言いたげな顔をして。
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……お前がいて、よかったと考えていた。
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は?
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悪意も遠慮もない、 純粋な反論を陛下にぶつける者は、稀有だ。
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そういった者がいるからこそ、 軍議が円滑に進む。
link フェリクス volume_up
チッ……俺とて、賛成できる時はしている。 何にでも食ってかかっているわけではない。
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そう、だろうか……。
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昔から、奴は危なっかしいところがある。 誰かが止めねば、何をしでかすかわからん。
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何しろ誰かのためだと吹き込めば、大喜びで 己の命を投げ捨てるような男だからな。
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……そうだな。
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だが、奴に死なれては困る。 ファーガスも聖教会も諸共に滅ぶだけだ。
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だから俺が、この役を買って出た。 王の命を……この国を、守る役をな。
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ふ……“王の盾”か。
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おい……何だその顔は! だいたいお前も自分の意見があるのなら……
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軍議の度、そう言ってくれるのも おれを気遣ってくれているからだろう。
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感謝している、フェリクス。
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……フン、それくらいは当然だろう。 俺たちは同じ王を戴く、同胞なのだからな。
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待たせたな、そろそろ再開しよう。
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しかし、随分と話し込んでいたようだが、 いったい何の話をしていたんだ?
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は……。 陛下、フェリクスが……
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阿呆! それ以上口を開くな! さっさと続きを始めるぞ!