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リンくん、探したんですよ。 これ、どうぞ。
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ああ……今朝の軍議の。 ありがとう。
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……ねえ、どうしていつも私に頼むように なったんです？
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事情を知っているから、説明が楽でしょ？ それに以前、仕事を増やされたし……。
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自分で口にした提案じゃないですか……。
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後は、そうだな。君の書きつけは字が綺麗で 読みやすいし、内容もわかりやすいし……。
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褒めたからって、喜んで書きつけを作ると 思ったら大間違いなんですからね？
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ああ、ドロテア。 良かったよ、体調は回復したんだね。
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ありがとう、リンくん。もう平気よ。 すっかり熱は下がりました。
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でも、そのせいでいろいろと 置いてかれちゃって……情報を集めないと。
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ああ、それなら……はい、これ。
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これは……書きつけ？ もしかして、私が休んでいた間の……
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うん。軍議の内容とか、偵察の情報とか、 必要そうなものを全部まとめておいたよ。
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ええっ、もしかして……リンくんが？ これ、リンくんの字よね？
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何でそんなに意外そうなのさ。 いつも君がやってくれてたじゃない。
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君が体調を崩したんだから、 僕が代わりにやるのは当たり前でしょ？
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………………。
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リンくんって…… ……不思議よねえ、本当に。
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いつもは絶対にそんな面倒なこと、 頼まれてもしないのに……。
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こういう時だけ、ちゃんと助けてくれる。 本当に不思議で……ずるいわ。
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ずるいかな？　そう思うなら、みんな 僕みたいに生きれば楽だと思うんだけど。
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あ、それはいいね。 そうしたら、軍議とか一瞬で終わるよ。
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その軍議、やる意味あるのかしら……。 下手したら誰も出てこなさそうですけど。
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いや、ごもっとも。 まったくそのとおりかもしれない。
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ふふふっ、やっぱり？ 少しリンくんが理解できてきました、私。
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理解されちゃうのも、 何だか困りそうな気がするな。
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まあ、その時はその時でいいか。 ふああ……眠くなってきた。
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はいはい。そうしたら、元気になった 私の代わりに寝ててください。
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私がリンくんのために、いろいろと やってきますから。
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いや、まだ病み上がりでしょ？ やめといたほうがいいよ。
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君に割り振られてた仕事は全部、 代わりの人を探して振っておいたし。
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今日くらいはのんびり昼寝したほうがいい。
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そんなことまで……日頃からそのくらい 素敵だったら、いいんですけどねえ。
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まあそうじゃないのも、リンくんの 魅力ってことかもしれないわ。
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ええ……魅力なんてなくていいんだから、 変な魅力を見出さないでよ。
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またそういうこと言って…… リンくんってば。