- トマシュの逃亡劇は、
思わぬ結果になったね。
- 騎士団の前で「変身」の力を使い、
いとも容易くあの場を逃れてみせるとは。
- 変身、か……。
- 変身、か……。
- 言いたいことがあったら言うべきだよ。
『自分の……僕の力と似ていた』とか。
- 同じだと言う
- 何も言わない
- そうだ。
ラルヴァ……お前のくれた力と同じだぞ。
- そうよ。ラルヴァ……
あなたのくれた力と同じじゃない。
- お前はトマシュの仲間なのか?
この力は……何なんだ?
- あなたはトマシュの仲間なの?
この力は……何なのよ。
- 僕の知る限り、僕に仲間はいない。
いるのは……運命共同体である君だけだ。
- しかし、あれを目の当たりにした今では、
同じ力を持つ者の存在も否定できないな。
- ………………。
- ………………。
- 何も言ってくれないのか?
でも、そうだな……。
- あれを目の当たりにした今では、
同じ力を持つ者の存在も否定できない。
- トマシュの様子は、皆が知った。
俺と関連づける奴だっているだろ。
- トマシュの様子は、皆が知ったわ。
私と関連づける人だっているでしょ。
- 教団が何も言ってこないってことは
そこは黙ってくれてるみたいだが。
- 教団が何も言ってこないってことは
そこは黙ってくれてるみたいだけどね。
- そうだね。君の学級の面々は、
君を信頼してくれているようだ。
- 君としては……
おっと、誰か来たみたいだね。
- [HERO_MF]、ここにいたのね。
- どうした?
- どうしたの?
- 今節、私は帝都に戻るわ。
とある目的のためにね。
- どうかしら、貴方も来ない?
“[-]黒鷲の学級[+]アドラークラッセ[=]”の生徒も、大半が一緒よ。
- とある目的って何だ?
- とある目的って、何?
- それは、今ここでは話せない。
詳しくは帝都に近づいてからになるわ。
- ただ、戦闘が想定されるの。
貴方の腕の見せ場にはなると思う。
- ……だが、いいのか?
俺の力は……
- ……けど、いいの?
私の力は……
- ああ、トマシュと貴方の力が
似通っているという話ね?
- 確かに怪しいわ。
怪しいけれど、私は心配していない。
- 貴方は強引に立ち去る選択肢もあったのに、
ここに来ることを選び、生徒となった。
- 私たちを助け、モニカも助けてきた貴方を、
私は信用したいと思うの。
- それに……貴方にとっても、自分の力の
正体に近づける好機かもしれないわよ。
- 正体に近づける好機……?
意味深なことを言うね。
- ……ありがとう。
なら、その誘いに乗らせてもらう。
- ……ありがとう。
なら、その誘いに乗らせてもらうわ。