1. なあ、こっそり話すのはいいんだが、 少し森が深すぎないか?
  2. ねえ、こっそり話すのはいいんだけど、 少し森が深すぎない?
  3. 念には念を、ですよ。
  4. このところ、まったくと言っていいほど 敵の動きを掴めなくなりましたからな。
  5. と……リシテアも来たのか。 どういう繋がりだ?
  6. と……リシテアも来たのね。 どういう繋がりなの?
  7. リシテア殿は、過去に“闇に蠢く者”と 接触したことがありましてね。
  8. 情報共有のために、 顔を出してもらったのです。
  9. 顔だけです。余計な口は出しませんから、 気にせず話してください。
  10. わたしにとっても彼らは…… 対決しなければいけない相手ですから。
  11. なるほど……。
  12. なるほど……。
  13. さて、姿を見せなくなったからと言って、 “闇に蠢く者”どもを相手にして……
  14. 警戒を緩めることなどできません。
  15. 特に帝都アンヴァルは、かつて彼らが 跳梁跋扈し、闇の巣窟と化していました。
  16. 陛下や我々が帝都に戻るのに合わせて、 何か事を起こす可能性さえあります。
  17. まったく本当に厄介な人たちですね。 神出鬼没で……。
  18. 話を促す
  19. 相槌を打つ
  20. それで、俺を呼んだ理由は何だ? してほしいことでもあるのか?
  21. それで、私を呼んだ理由は何? してほしいことでもあるの?
  22. そうですな。警告と…… 頼みが一つ、あると言えばあります。
  23. 苦労させられたんだな。 俺が力になれればいいんだが。
  24. 苦労させられたのね。 私が力になれればいいんだけど。
  25. さて、貴殿を呼んだのは警告と…… 頼みが一つ、ありましてね。
  26. “闇に蠢く者”、もし動きがあるとしたら、 貴殿に近づく可能性があります。
  27. 俺に?
  28. 私に?
  29. ええ、貴殿にです。
  30. あんたは、彼らと起源を同じくするだろう 力を、持っているんでしょう?
  31. 貴殿が彼らと同じ力を有しているという 話は、先日させてもらいました。
  32. そんな貴殿を、仲間に引き入れようと 彼らが動いても不思議ではありません。
  33. 俺にはまったくそんな気はないが、 そういう話になるわけか。
  34. 私にはまったくそんな気はないけど、 そういう話になっちゃうのね。
  35. 安心してくれ。 何があっても……
  36. 安心して。 何があっても……
  37. 貴殿によく似た、生き別れの兄弟が現れ、 優しく言葉をかけるかもしれません。
  38. 突然、「我が子よ……」って 呼びかけられる可能性だってありますよ。
  39. その誘惑を断って、家族かもしれない 相手を殺せますかな、貴殿は。
  40. ………………。
  41. ………………。
  42. かなり意地悪なことを言いました。 ただの可能性に過ぎませんよ。
  43. ですが、想像しておくのは悪くない。 現実はいつだって、残酷なのですから。