- まもなく私たちはアリルの谷に入るわ。
- 谷には西から王国と中央教会の連合軍が、
東からは盟友の同盟軍が進軍してきている。
- こちらが動きを掴んでいるのだから、
相手もこちらに気づいているでしょう。
- もはや決戦を避けるべくもない。この戦いに
私たちは、必ず勝たねばならないの。
- 兵数だけで言えば、
あたしたちのほうが上です。
- でも、王国には数多くの英雄の遺産がある。
これらを惜しみなく投入してくるでしょう。
- 決して油断せず、個の力に頼り切りになる
ことなく、戦っていきますよ!
- 燃えてきたぜえ……って言いたいとこだが、
地面が燃えてんだよな、ここ……。
- いやあ、熱いんだよね。
何でここが戦場になってしまったのか……。
- わたし、寒いより熱い、遥か、得意です。
動き、鈍りません。
- あたしは暑いのも寒いのも嫌です!
ちょうどいい部屋に引き籠もってたいい!
- 君たち、この一大決戦を前に少しは
緊張感というものを持ったらどうだね!
- 誇り高き帝国の、皇帝直属軍の一員としての
責務を胸に……
- いいじゃないですか、フェルくん。
気負ってなくて。
- 私は正直、争いとか好きじゃないから……
皆のこういうところに救われてるんですよ。
- くく……私も同感です。
- くく……いいではありませんか。
- 因習に縛られた者どもに、せいぜい我々の
力を見せつけてやることにしましょう。
- ああ、今の俺たちに敵はない。
そう思えてくるよ。
- ええ、今の私たちに敵はない。
そう思えてくるわ。
- さあ、行きましょう。
すべてに勝利するために。