1. さて、どっちが手前でどっちが奥だかも 判断できない謎の空間だが……
  2. もう少し向こうのほうに行ってみるか?
  3. ああ、そうだな。見る限り、 あちらのほうはまるで様子が違……
  4. ……っ! 退け、[HERO_MF]!
  5. ……!
  6. ……!
  7. ……失敗してしまったか。 僕の腕も、だいぶ鈍ったようだ。
  8. ……ラルヴァ。
  9. ……ラルヴァ。
  10. 捜したよ、[HERO_MF]。
  11. それに、忌まわしき獣魔の末裔…… その指導者たちが、図らずも揃っている。
  12. ……またとない幸運だ。 悪いが、ここで死んでもらおうか。
  13. 貴方がラルヴァね……。死ねと言われて、 頷けるわけがないでしょう?
  14. この術を解いて、私たちを元の場所に 戻しなさい。
  15. それこそ、戻せと言われて戻すわけがない。 そもそもザラスの大禁呪は一方通行だ。
  16. 何人たりとも、 この永劫の闇を抜け出ることは叶わない。
  17. 本当か? 例えば、お前を討つと術が 解ける……なんてこともあったりしてな。
  18. ああ、出られもしない罠の中に入るなど、 死を覚悟した囮くらいのものだろう。
  19. お前がここを出られるとしたら、俺たちに 抜け出る手段があっても不思議ではない。
  20. そう思うなら僕を斬ってみるといい。 もっとも、今の僕は幻影に過ぎないが。
  21. 僕は、僕の目的を果たして帰る。 ……独りでね。
  22. 待て、ラルヴァ!
  23. 待って、ラルヴァ!
  24. お前の目的は何なんだ。 どうして俺を操った。何をしたいんだ!
  25. あなたの目的は何? どうして私を操ったの。何をしたいのよ!
  26. ……僕はラルヴァじゃない。
  27. 僕の名は、エピメニデス。地上を焼いた 獣を討つと誓った、ただの人間だよ。
  28. それに、本当に僕の目的がわからないのか? 僕はヒトを……世界をこの手で救うんだ。
  29. そのために「僕」という存在を、 引き継がなければならない。
  30. 君は……そのための、器なんだよ。
  31. 器、だと?
  32. 器、だって?