0. ハピ、ちょっといい？
1. いーよ。何？
2. 実は、あなたの過去を聞いちゃったのよ。 それで少し話をできないかと思って。
3. あー、うん。 聞いちゃったかー。
4. 楽しい昔話でもなかったでしょ。 で、何かな？
5. 私の母さんのことよ。 前にハピがいろいろ聞こうとしてたのは……
6. 私が、あなたと同じような目に遭ったんじゃ ないかって、心配してくれてたのね。
7. そーだね。 キミって不思議な力、持ってるじゃん。
8. ハピは子供の頃、変な人たちにさらわれて、 おばさんの元で実験台になってた。
9. その結果、こーんな体質になっちゃって。 困ったりしてるわけじゃないんだけど。
10. 私には……少なくとも実験台になった 記憶はないわ。
11. 母さんも多くは語らなかったけど、そんな 怪しい人ではなかったと思うのよ。
12. 村での生活も真っ当なものというか、最低限 だけど他の住民とも交流はあったし……
13. 考えた結果、きっと誰かに追われるような 身の上だったんじゃないかって。
14. 何だろーね。それはそれで気になるけど、 とにかくハピとは違って良かったよ。
15. まー、キミは力も使いこなせてるから、 そこもハピとは違うじゃん。
16. 自信満々に頷く
17. 自信薄に首を振る
18. ええ、この力は、自分のものとして 使いこなせてる自覚はあるわ。
19. ただ……だからといって安全とは 限らないでしょ？
20. いえ、完全に使いこなせてるとは言えない。 いつ何が起こるかわからないでしょ？
21. おとぎ話みたいに、剣に呑み込まれて 化け物になっちゃうかもしれないし……。
22. ……万が一そうなっちゃったら、 ハピがため息ついて呼んであげる。
23. そして、ハピたちの手でとどめを刺す。 それこそおとぎ話みたいにね。
24. 怖いこと言わないでよ。 けど……万一があったら、そうね。頼むわ。
25. ……私は傭兵だしね、 使えるものは何でも使っちゃう。
26. それが正しい自信はないけど、それよりは 今を生きることのほうが大事なのよ。
27. 本当は……ハピみたいにできる限り使わず、 もしもの時だけにするべきかもしれないわ。
28. その選択ができて、使わないでいられる ハピは、凄いと思うわよ。
29. そうかなー。 ハピは諦めてるだけじゃん？
30. 諦めないで頑張ってるキミのほうが、 ずっと凄いし。それは間違いない。
31. ハピのほうが凄いと譲らない
32. 自分のほうが凄いと受け入れる
33. いえ、ハピのほうが凄いわ。 そこは譲れないから。
34. わかったわ、そういうことなら 私のほうが凄くてもいいけど……
35. 決してハピが凄くないわけじゃないからね。
36. もー、何をこだわってんだか。 わかったし。
37. それじゃ、話は終わりでいい？ ハピ、体を動かしたくなってきた。
38. うん、ありがと。 訓練かしら？
39. そーだよ。 少しは努力してもいいかなって。
40. キミも暇ならどう？ じゃ、ハピはとりあえず行くから。
41. そういえば……実験台、ね。 あの夢は、いったい何を意味してるの？
42. ……ラルヴァ。