1. あっ、マリアンヌちゃーん!
  2. 珍しいねー。このくらいの時間は 礼拝堂にいるかと思ってたー。
  3. は、はい……今日はいつもより早めに お祈りをしてきました。
  4. そうなんだー。マリアンヌちゃんは 毎日欠かさずお祈りしてて偉いねー。
  5. いえ……私にできることなんて、 限られていますから……。
  6. せめて皆さんの分も、主に祈りを 捧げておこうかと……。
  7. えー? そんなこと考えてたの?
  8. マリアンヌちゃんにしかできないこと、 いっぱいあると思うけどなー。
  9. そうでしょうか……。
  10. うんうん!
  11. ………………。 ……あ、あの、ヒルダさん。
  12. どうしてこんなに、私のことを 気にかけてくださるんですか……?
  13. んー? どういうことー?
  14. ヒルダさんは、私以外にもたくさん 仲の良い人がいるのに……
  15. 私にばかり、 優しくしてくれているような……。
  16. 前にジュディットさんに叱られそうに なった時も、私の代わりに……。
  17. そんなこともあったかなー。 忘れちゃったー。
  18. そんなこともあったねー。 ジュディットさん、懐かしいな……。
  19. はい……。
  20. でも庇った理由は忘れちゃったなー。 そんなに気になる?
  21. はい、ずっと不思議に思っていました……。 どうしてって……。
  22. 優しくしたくなっちゃうから、してるだけ。 だから、別に気にしないでいいのにー。
  23. あたしね、マリアンヌちゃんが いてくれるだけで凄く助かってるんだー。
  24. いつも助けてもらってるから、 そのお礼ってことで、よくない?
  25. わ、私がヒルダさんを……?
  26. うん! あたしにとって、 マリアンヌちゃんは心の支えだよー。
  27. こうやって、あたしの側で、 静かにあたしの話を聞いてくれて……
  28. 何気ない言葉で助けてくれて、 優しい笑顔で癒やしてくれる。
  29. そういう小さな積み重ねで、ヒルダちゃんの 心はばっちり支えられているのよー。
  30. 小さな、積み重ねで……。
  31. 私が、ヒルダさんの心を支えているなんて、 そんなこと想像もしていませんでした……。
  32. いつも私ばかり、支えられて……って 思っていたのに……。
  33. ……ヒルダさん、ありがとうございます。 あなたの言葉で何だか救われた気がします。
  34. これからも、ヒルダさんのこと、 ずっと支えていきますね。
  35. あたしも! やっぱり マリアンヌちゃんには笑顔が一番よー。