1. ドロテアさん! 聞きましたわ!
  2. フレンちゃん? どうかしたの、そんなに慌てて。
  3. ドロテアさんは、帝都で歌姫と呼ばれるほど お歌がお上手でいらっしゃるんですのね?
  4. その歌声は……“神秘の歌声”と 称えられていたとか!
  5. 歌声というよりは、存在が、かしらね。 ふふ、でもそのとおりよ。
  6. まあ! でしたらでしたら、ドロテアさんに お願いしたいことがありますの。
  7. その、よろしければ、わたくしにお歌の お稽古をつけてくださらないかしら?
  8. 構わないけれど……随分、急な話ね?
  9. それなんですけれど……兵士の皆さんが たまに歌を歌っていらっしゃるでしょう?
  10. わたくし、そういう歌には自信があったので ご一緒させてもらおうと思ったんですの。
  11. けれど……わたくしの知っている歌は 古い歌ばかりみたいで……。
  12. 兵士の皆さんが歌っている流行りの歌を、 ご指導いただきたいんですのよ。
  13. なるほど、そういうことだったの。 なら任せてちょうだい。
  14. 最近は、新しい音律が提案されて、 音の重なりが難しい曲が増えたのよねえ。
  15. まずは発声練習をしましょ? 私の後に続いて、歌ってくれる?
  16. はい! 先生!
  17. らららららららららー♪ らーらーらーらーらー♪
  18. らららららららららー♪ らーらーらーらーらー♪
  19. ふう、何だかとってもお歌が上手になった 気がしますわ!
  20. やっぱり歌うのは、良いですわね! お腹の底から元気になれますもの。
  21. ええ、歌は、とても力をくれるわ。 ただの声と音楽以上のね。
  22. そういえばこの前、歌が戦争を終わらせたと いう昔の逸話を聞いて、驚いたのよ。
  23. 歌で、戦争が!? わたくし、 その話は存じ上げておりませんわ!
  24. 詳しく教えていただけないかしら?
  25. 喜んで……と言いたいところなんだけど、 私も詳しくは知らないの。
  26. 一応調べてみるけれど、私が聞いた相手も 詳しくは知らなかったから、期待しないで。
  27. そうなんですの……。
  28. もしかしたら、お兄様なら……
  29. もしかしたら……
  30. あら、何かしら?
  31. いえ、何でもありませんの。 わたくしも少し調べてみますわね。
  32. 何かわかりましたら、 ドロテアさんにもお伝えしますわ!