“フォドラの喉元”
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……ナデル。 俺様の命令を聞いていたか？
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はっ、もちろんです。
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ならば何故、我らはいまだ山のこちら側で あの忌々しい城塞を眺めているのだ。
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すぐに抜けるだけの兵を集めろと、 俺様はそう命じたはずだぞ。
link ナデル volume_up
兵の数では我らが遥かに有利です。
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しかし敵将ホルストは采配に優れ、 兵の士気もまったく落ちてきません。
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ほう、パルミラの次の王となる俺様より、 臆病な蛮族の将が優れていると？
link ナデル volume_up
そんなことは言ってませんが、 城塞を落とすのには、時間がかかると……。
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まあよい。 俺様の調べさせたところ……
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帝国では皇族と貴族の権力争いが、王国では 王族同士の王位争奪戦が起こっている。
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救援などほとんど来るまい。 ゆっくりと踏み潰せばよいのだ。
link ナデル volume_up
そう上手くいきますかねえ。 王も今は攻めるなって言ってましたよ？
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フン……状況は変わったのだ。 父上もお褒めくださるだろう。
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それに、このところカリードが所在不明だ。 何かを企んでいるのかもしれん。
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ここで俺様がフォドラを征服してしまえば、 奴が何をしようと王位は我が手中なのだ！
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シャハド様！　敵に増援です！
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なに？　いや、増援など たかが知れているはずだ！
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こちらも残していた兵を投入し、 まとめて叩き潰してやれ！