link ジュディット volume_up
……帝国軍に動きはない、か。 こう静かだと、かえって不気味だねえ。
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勇名轟く“ダフネルの烈女”に怯んで、 攻められんのかもしれないな。
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おや、エルヴィン。 あんたも冗談を言うんだね?
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冗談なものか。現に私は、貴方が近くに いるために帝国に投降できずにいる。
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悪人ぶるのも大概にしなよ。あんたほど 同盟に尽くしてきた人はいないだろうに。
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買い被らないでもらいたいね。 私が大事なのは同盟ではなく自領の民だ。
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だとしても立派な領主様だよ。 いや、もう領主様じゃないんだっけね?
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今の私は、しがない隠居貴族だ。 これからは気楽にやらせてもらうさ。
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気楽にねえ……帝国軍が攻めてきたら、 そうも言ってられなくなるよ?
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なに、その心配はあるまい。
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同盟と戦争を続ける気があるなら、 もうとっくにこの地を攻めてきている。
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先の一戦を経て、 帝国軍は方針を変えたのだろう。
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王国と同時に相手取るなど愚行だと、 同盟の強さを感じて理解したのさ。
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……まさか、帝国が攻めてこないと踏んで、 大橋の守備を進んで買って出たのかい?
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さて……?
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やれやれ……小賢しい隠居貴族だね。
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お褒めにあずかり光栄だよ、ジュディット。