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二度目の選択
EP.12 - 二人の国王
« よりよい形
王都着陣 »
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ドゥドゥー
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……陛下、フェルディアの東部郊外に 連邦国軍が現れました。
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ディミトリ
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そうか……思いのほか、早い到着だな。 王国の雪は、俺たちに味方しなかったか。
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アネット
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てっきり、帝国軍の動きと連携して 攻め込んでくると思ってたんですけど……
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アネット
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西部の状況を確かめる限り、 そういうわけでもなさそうですよね。
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シルヴァン
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連邦国軍だけで王都を攻め落とすつもり なんでしょうよ。なめられたもんだ。
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ディミトリ
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だが事実、王家の兵の大多数は 西部戦線と北部の治安維持に割かれている。
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ディミトリ
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そもそもそういった状況を作り出すのが、 クロードの策略だったのだろう。
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ギュスタヴ
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だとしても、彼らの兵力では 王領全域を制圧できるとは思えません。
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ギュスタヴ
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仮に我々に勝利できたとしても、 ほんの一時、王都を占拠できる程度です。
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ロドリグ
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ええ、各地の城主と合流して攻め入れば、 何事もなく王都を奪還できるでしょうね。
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ディミトリ
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どうせ、それも何かの策略なのだろう。 王都陥落の他に、真の目的があるはずだ。
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ディミトリ
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……例えば、中央教会とかな。
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シルヴァン
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ありそうですね。帝国より先に教団を潰して 皇帝陛下に恩を売ろうってか……。
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ロドリグ
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仮にそうだとすれば、我々が教団を見限れば 彼らと戦わずとも済むのではありませんか。
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ディミトリ
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彼らを見捨てれば再び国内は割れ、より 多くの流血を招く。そういう話だったろう。
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ロドリグ
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ええ……だからこそ我々も開戦に賛同した。 ですが……
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ディミトリ
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お前の言いたいことはわかる。この戦争で 流れる血のほうが多くなれば、本末転倒だ。
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ディミトリ
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教団は……多くの者たちを救ってくれた。 行く当てのない者、帰る家のない者……。
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ディミトリ
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……民も中央教会も、そして未来の民も 同時に救えるのなら最上の結末だろう。
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ディミトリ
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だがどうしても何かを切り捨てなければ ならないのなら、俺が選べる答えは一つだ。
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ディミトリ
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俺は……ファーガスの王なのだから。
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シルヴァン
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………………。
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ドゥドゥー
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陛下、連邦国軍を迎え撃つならば、 すぐに動くべきかと。ご指示を。
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ディミトリ
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……まずは奴の真意を確かめなければ 如何ともしがたい、か。
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ディミトリ
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出陣だ。今はクロードの 茶番に付き合ってやるしかあるまい。
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ディミトリ
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シルヴァン。あまり逸って突出するなよ。 ……するなら敵を薙ぎ払って帰ってこい。
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シルヴァン
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ははは、陛下はいつも無茶を仰る。 ご心配なく。俺、意外と冷静なんですよ。
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ディミトリ
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……ロドリグ、カムロスの街に使者を送り、 レア様たちに避難の仕度を整えさせてくれ。
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ディミトリ
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大司教警護の名目で、王都に滞在している セイロス騎士団もそこに合流させる。
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ロドリグ
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おや……セイロス騎士団には、王都防衛に 加勢していただかなくともよいのですか?
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ディミトリ
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構わない。今は王都から遠ざけておきたい。
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ロドリグ
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かしこまりました。 万一彼らと手切れとなれば、その時は……
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ディミトリ
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……まだ、何も言うな。 今はただ……この王都を守るのみだ。