闇の正体：黄燎の章

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さて、どっちが手前でどっちが奥だかも 判断できない謎の空間だが……

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もう少し向こうのほうに行ってみるか？

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ああ、そうだな。見る限り、 あちらのほうはまるで様子が違……

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……っ！　退け、[HERO_MF]！

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……失敗してしまったか。 僕の腕も、だいぶ鈍ったようだ。

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捜したよ、[HERO_MF]。

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それに、忌まわしき獣魔の末裔…… その指導者たちが、図らずも揃っている。

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……またとない幸運だ。 悪いが、ここで死んでもらおうか。

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貴方がラルヴァね……。死ねと言われて、 頷けるわけがないでしょう？

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この術を解いて、私たちを元の場所に 戻しなさい。

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それこそ、戻せと言われて戻すわけがない。 そもそもザラスの大禁呪は一方通行だ。

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何人たりとも、 この永劫の闇を抜け出ることは叶わない。

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本当か？　例えば、お前を討つと術が 解ける……なんてこともあったりしてな。

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ああ、出られもしない罠の中に入るなど、 死を覚悟した囮くらいのものだろう。

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お前がここを出られるとしたら、俺たちに 抜け出る手段があっても不思議ではない。

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そう思うなら僕を斬ってみるといい。 もっとも、今の僕は幻影に過ぎないが。

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僕は、僕の目的を果たして帰る。 ……独りでね。

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……僕はラルヴァじゃない。

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僕の名は、エピメニデス。地上を焼いた 獣を討つと誓った、ただの人間だよ。

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それに、本当に僕の目的がわからないのか？ 僕はヒトを……世界をこの手で救うんだ。

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そのために「僕」という存在を、 引き継がなければならない。

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君は……そのための、器なんだよ。