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朝かー。 ふ……おはよー。
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うおっ！？　……ハピか？ どこにいるんだ？
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いたいた、よく俺がいるってわかったな。 突然の挨拶に心臓が飛び跳ねちまったぞ。
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クロ？　別にキミに言ったわけじゃ…… まあいいや。
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にしても、お前は早起きだな。日の出と共に 起きる……まるで“草原の民”だ。
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“草原の民”？　何それ。
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あーまあ、フォドラの東のほうに、 そういう連中がいるらしいんだよ。
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ふーん……ていうか、キミだって 同じじゃん。もう起きてるし。
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俺は、早起きすると得があるって言葉を 信条にしてるんでね。
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うわー、嘘っぽいじゃん。
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おいおい、俺の真摯な言葉のどこが 嘘っぽいんだよ。
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その顔が、だし。 いやー、キミってさ……
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王様なのに、偉そーじゃなくて 話しやすいよね。
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帝国の皇帝や王国の国王より、 気楽に付き合えそうな感じ、するじゃん？
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褒められてるのか微妙なところだが、 国王にもそれなりの苦労があるんだぜ。
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お前に俺の苦労を延々と語ったら、 三日三晩じゃ終わらないからな？
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ふーん、大変なんだね。 でもハピには聞かせないでいいし。
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ははっ、わかってるさ。
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でもさー、それだけ苦労があって、 やめたいとか思わないわけ？
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嫌なら誰かに代わってもらえばよくない？ 連邦国の王様は、譲れるんでしょ。
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まあ……そうだな。お前の言うとおり、 代わろうと思えば代われる。
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……だが、今はその道を選べない。
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これから先、叶えたいこと、そのために やるべきことが山積みなんでね。
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そっか……。 なら、ハピはクロを応援でもしよっかな。
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キミの考えとか、難しいからハピには さっぱりだけど。
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それでも「きっと上手くいくよ」って 応援することはできるし。
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あ、これ、ハピの……親戚の誰かの口癖ね。
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誰かって……でも、ありがたいよ。 俺にはその気持ちだけでも十分さ。
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ほんと？　じゃあ早速する。 クロ、きっと上手くいくし。
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ははっ、良い言葉だな。 みんなにもそう言ってやってくれ。
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またすぐそうやって、 みんなのこと考えるー。
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今はキミの応援じゃん。 きっと、上手くいくよ、クロ。