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おっと、ホルストさん直々に 兵の調練をしてくれているのか。
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……それにしても、みんなの気合の入り様が 違うな。流石はホルストさんだ。
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私がどうかしたか? 盟主殿。
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これはホルストさん。 いや、あんたの調練を見ていたのさ。
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普段よりみんな気合が入ってるな、と。 たぶん、あんたに見られてるからだろうな。
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……聞き捨てならんな。つまり普段は、 今より気合が入っていないのか。
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調練はいかに実戦に近づけるかで成果が 決まる。緊張感に欠けるようでは無駄だ。
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すぐにでも日頃の調練のやり方を 改善せねばなるまい。
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お手柔らかに頼むよ。別に普段だって みんな手を抜いてるわけじゃない。
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だが、あんたを目の前にすると、 いつもより更に奮い立っちまうんだろう。
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生きるレスターの英傑、紋章を持たずして 万夫不当の勇を見せる最強の武人……
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そんな人と一緒に鍛え、共に戦場に出る。 兵士にとっちゃ嬉しいことこの上ないさ。
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はははっ、やけに持ち上げるな。
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私も人の身、十傑のような英雄と比べては 引けを取ってしまうだろう。
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もちろん、ただで負けるつもりはないがね。 たとえ独りで挑もうと、腕の1本や2本……
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あっはっは、十傑と良い勝負ができる時点で 人知を超えた強さな気がするよ。
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かくいう俺も、兵士たちと同じ思いなんだ。 あんたと共にいるだけで、奮い立てる。
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……君や、皆の励みになれているのなら、 私がここにいる甲斐があるというものだ。
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だが、皆は私以上に、君のことを信頼し、 心を奮い立たせていると思う。
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そうでなければ、この同盟が、 これほどまでにまとまることはない。
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いつもはまとまらないのが当然ってのも、 困ったもんなんだがな……。
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ホルストさん、俺たちに力を貸してくれて 改めて感謝するよ。
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私としては、ゴネリル家の嫡子として 当然の使命を果たしているまでだ。
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すべてはレスター諸侯同盟のため。 力を惜しむ理由はない。
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それに何より……君の側にはヒルダがいる。 簡単にここを離れるわけにもいかないさ。
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ということは、俺はむしろヒルダに 感謝しなきゃいけないのかもしれないな。
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はは、そうだ。 感謝して、しっかりヒルダを守ってくれ。
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私には“フォドラの喉元”を死守するという 別の使命もある。
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万一、パルミラが不穏な動きを見せれば、 私はすぐにでも戻らねばならない。
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ああ。だがそうなったら、 俺たちも一緒にパルミラ軍と戦うさ。
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次に攻めてくれば、恐らくフォドラの 命運を懸けた戦いになりそうだからな。