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よう！　イグナーツ。 ここで何してるんだ？
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あ、クロードくん。 この辺りの景色を眺めていました。
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ここ一帯は自然に囲まれているので、 たまに見に来るんです。
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綺麗ですよね。 自然を眺めていると、気分が落ち着きます。
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そうだな。俺もよく木陰で 昼寝してたもんだ。
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あはは。それは気持ちよさそうですね。
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………………。
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……イグナーツ。お前、本当は 絵描きになりたかったんだってな。
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えっ？　ええ、そうですけど……。 どうしてそのことを？
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俺はお前のことなら何でもお見通しだぜ？ ……なんてな。
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は、はあ……。
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ま、誰にでもできる推察さ。お前に昔、 なりたいものがあったって話を聞いてね。
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こうして景色を眺めている姿を何度か 見かけることがあったもんだから……
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一つの答えが導き出されたわけだ。絵描きの 道を夢半ばで諦めたんだろうってな。
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……騎士になったのは、父の希望では ありますが、ボクが決めたことなので。
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それについてはもういいんです。
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今はそんな話よりも、 同盟諸侯が不安定ですから……
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今はそんな話よりも、 レスターの中も外も不安定ですから……
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ボクは騎士として、 みんなの役に立たないといけません。
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確かに、シャハドが攻めてきて以来、 同盟はガタついてばかりだ。
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各諸侯を糾合して乗り切らなきゃ ならないんだが、どうにもな……。
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確かに、シャハドが攻めてきてから 同盟はガタついてばかりだった。
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だからこそ連邦国を成立させて、この戦乱の 時代を乗り越えようと思ったんだが……。
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ボクにも、もっと何かできることが あればいいですけど……。
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そうだな……。 それなら、偵察任務に就かないか？
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えっ？
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いろいろな場所を、時には街の中も偵察し、 多くの物事を見聞きして記録する。
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お前には、似合いの任務だろ？
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その任務、ボクでいいんですか？
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ああ、お前に任せたい。 その目で外の世界を見て回るんだ。
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………………。
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ボク、絵描きの夢はもう終わったって、 諦めて生きようって思っていましたが……
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戦争が収まったら、 もう一度目指してみたくなりました。
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ああ、そうしてくれ。夢なんて、 簡単に捨てられるもんじゃないだろ？
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ありがとうございます、クロードくん。
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約束します。ボクが絵描きになったら、 クロードくんの肖像画を描きますからね。
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そりゃいいな。 後世に残るような肖像画を、描いてくれよ？
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ええ、もちろんです。