link シェズ volume_up
ふふふっ、面白いわね! そんな傭兵がいたの?
link シャミア volume_up
ああ、二言目には『報酬は林檎でくれ』だ。
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林檎の詰まった袋を引きずりながら、 戦場を駆け回るその姿と言ったら……
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戦ってたらお腹が空きそうな相手ね。 実物を見てみたいものだわ。
link シャミア volume_up
確かに、良い香りがしたかもしれん。
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……そういえば、前に私の過去を聞いたな。
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ええ。詮索して悪かったわ。 それが……
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いや、気になるなら教えてやろうと 思っただけだ。
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いいの?
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ああ、たいした話でもない。 それに……もう7年も前のことだ。
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私が属していたのは傭兵団というより、 巨大な、傭兵国家とでも言うべき組織でな。
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傭兵同士、あまり信頼関係を築けるような ものでもなかった。
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そんな中に、相棒と呼べるような奴が いたんだ。
link シェズ volume_up
………………。
link シャミア volume_up
想像どおり、奴は死んだ。 それだけさ。
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それだけ!? 流石にあっさりし過ぎじゃない?
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まあ、シャミアらしいって言えば らしいけど……。
link シェズ volume_up
そうなっちゃうわよね。 昔の話だけど、残念だわ……。
link シェズ volume_up
でも、何で急に話してくれたの? あなたは嫌いでしょ、過去を語るのなんて。
link シャミア volume_up
少し気が咎めていたんだ。あの時は、 君の過去だけ聞きっ放しだったろう。
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しかし、どこの馬の骨とも知らん奴に 教える義理はないからな……。
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今は、少しは信に足る相手だと思っている。 だから教えた。……それだけだ。
link シェズ volume_up
本当? あなたに信に足るって 言われるのは別格で嬉しい。
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なぜだ? 君は皆に慕われているだろ。
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こういうことは、言われ慣れていると 思うが。
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言われ慣れてるって……言うわね、あなた。
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シャミアは私と同じで、ずっと傭兵を やってきた先輩、って感じだからよ。
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その先輩に一人前と認められたみたいで、 感動もひとしおなんだって。
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……つまり、私にとっては、 君は後輩ということか?
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そういうことに、なるのかしら……?
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なるほど、傭兵として対等に扱っていたが、 後輩として可愛がったほうがよかったか。
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可愛がるって、どうなるの? そっちのほうが嬉しいかもしれないわ。
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傭兵流の可愛がりを知らないのか? 酒代は全部、後輩持ちだぞ。
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それはないでしょ! 酷い先輩ね……本気じゃないわよね?
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フ……すまない、冗談だ。 扱いを変える予定はないさ。
link シェズ volume_up
いえ、それなら対等のほうがいいわね。 これまでどおり付き合ってほしいわ。
link シャミア volume_up
元より扱いを変える予定はないさ。 君が望もうとな。
link シェズ volume_up
そうよねえ、シャミアだし、 そんな気はしてたわよ!