0. ラファエル、矢の残りは？
1. これで最後だぞ、レオニーさん。
2. くそっ、なんて数の狼だよ！ 矢が足りなくなるなんて……。
3. レオニーさんほどの弓の名手も、 矢がねえとどうにもならねえか？
4. 当たり前だろ。 こうなったら、いちかばちか……。
5. 待ってくれ、レオニーさん！ ここは、オデに任せてくれよ。
6. この前は弓のことで助けてもらったからな。 今度はオデの得意なことで、助ける番だぞ！
7. いやあ、助かったよ、ラファエル。 大活躍だったな！
8. レオニーさんの補強した弓のおかげだぞ！ 二人とも無事で良かったなあ！
9. しっかし、弓の補強があんな形で 役に立つとは思わなかったよ。
10. 矢が切れた後の弓を槍みたいに突いて、 振り回して、叩いて……
11. あんなに暴れられたら、 そりゃあ狼だって逃げ出すよな。
12. けど、この弓よく折れなかったよなあ。 レオニーさんの補強は、流石だぞ。
13. オデも、もっともっと筋肉をいじめて、 この弓だって折れるように……
14. いや、折っちゃまずいか。でもオデの筋肉が 折りたがってんだよなあ……駄目か？
15. あはははっ、構わないよ。今回は、 あんたの筋肉君に助けられたからね。
16. その弓が折れるまで筋肉をいじめてやんな。 その代わり、弓の補強だって負けないよ？
17. あんたが鍛えても鍛えても折れない弓を 用意してあげるから、覚悟しといてね。
18. ……おお、閃いたぞ！
19. オデは得意な筋肉いじめを頑張って、 レオニーさんは得意な弓の補強を頑張るだろ？
20. そうすれば、得意と得意で、 効果も倍増するんじゃねえか？
21. あはは、そうかもね。
22. 倍増する……かはわからないけど、 互いの得意分野を上手く活かせそうだ。
23. 前に私が言ったこと、覚えてるか？
24. 私が得意分野であんたを助けた分、 あんたの得意分野で助けてもらうって。
25. 今日がまさにそうだし、これからも そういう関係でいられたらいいよな。
26. ああ、これからも頼むぞ、レオニーさん！
27. こっちこそ頼りにしてるよ、ラファエル！