1. 誰かいないかなー。
  2. おっ、ヒルダ! ちょうどいいや。
  3. ちょうどいいって、何がー?
  4. これからもうひと訓練って思ったんだけど、 相手が見つからなくてね。
  5. ヒルダなら申し分ないや。 頼めないか?
  6. ええー、こんな時間からー!? レオニーちゃんってほんと頑張り屋さんね。
  7. ちょっと思いついた動きがあるんだよ。 試すのに相手が必要でさ。
  8. あたしはもう体を拭いちゃったから、 今日は汗かくことはしたくないなー。
  9. ふーん……。
  10. ……なんか良い匂いがする。
  11. でしょー? 花を原料にした香油を使ってるんだー。
  12. 別の花を使った、他の香りの香油もあって、 その時の気分や状況で使い分けてるのー。
  13. へえ。 凄いなあ、ヒルダは。
  14. あ、今、よくやるよ、とか思ったでしょー。 香りを馬鹿にしちゃダメよー?
  15. 香り一つで、心の持ちようだって 変わるんだから。
  16. うーん、わたしには縁がなさそうだな。 頻繁に体を動かしてるからさ。
  17. 香油をつけたとしても、 汗ですぐに落ちちゃうだろ?
  18. 逆よー、そういう人こそつけなきゃ。 飛び散る汗が良い匂いになるじゃない!
  19. レオニーちゃんは可愛いんだから、 もったいないなー。
  20. そ、そうか……? そんなこと初めて言われたよ。
  21. ねー、折角だから、 レオニーちゃんもつけてみない?
  22. 今からあたしの部屋に行こうよ! あたしがつけてる香油も置いてあるからー。
  23. い、いや、わたしがつけても 似合わないから……。
  24. そんなことないよ。 レオニーちゃんなら似合うってー。
  25. い、いいってば。さっさと訓練に 行かないと夜も更けちまうし。
  26. そう? 残念ねー……。 それなら明日、渡すから。楽しみにしてて!
  27. 何でわたしが香油を使うのが 当然みたいな流れに……?
  28. ……まあいいや。 それじゃ、わたしは行くからな。
  29. レオニーちゃん、お洒落したら もっと可愛くなるだろうなー。