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大司教殿、急なお願いを聞いてくださり、 感謝します。
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良いのです、エーデルガルト。
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しばらく帝都に戻りたいということですが、 いったいどのような事情なのですか。
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実は……、トマシュの仲間と思しき者が、 帝国にも入り込んでいます。
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……!
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トマシュ殿はこのガルグ=マクに40年来 書庫番として勤めていたそうですが……
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突如として豹変すると、怪しげな魔道を 用い、姿さえ変わったと聞きました。
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それと合致するような者が帝都に、 しかも我々の身近にいるのです。
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ふむ……それは、いったい誰なのだ?
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フォルクハルト=フォン=アランデル。 帝国の摂政の地位にある、私の伯父です。
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アランデル公は一時、王国に亡命し、 数年後、再び帝国に舞い戻ってきました。
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その時から、アランデル公は別人のように なり……帝国を牛耳り出したのです。
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隠れて怪しげな魔道を使い、姿形を 変えたという報告も受けています。
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それは由々しき事態だろうな。 ……報告が真実であれば、だが。
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その点については、我がベストラ家の 情報を信じていただくしかありません。
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そうか……。それで、君たちだけで帝都に 戻って、どうにかできる問題なのかね?
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アランデル公は、宰相エーギル公を始め 多くの有力貴族を味方につけています。
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ですが、条件付きではあるものの、こちらに 協力を約束してくれている者もいるのです。
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彼らを動かすため、その子女である何人かの 級友とイエリッツァ殿を連れていきます。
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加えて、帝国軍の動きを抑えるために セイロス騎士団の力をお借りしたく……。
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騎士団を帝国に……帝都に入れるのかね?
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ええ。そうでもしなければ、 信じてはもらえぬでしょう。
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それに、帝都での大規模な騒乱を防ぐため、 騎士団には抑止力となってほしいのです。
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なるほど……いよいよもってこれは、 信じざるを得なくなってきたか。
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ええ。そして…… しっかりと練られた計画のようですね。
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私たちは自身の戦力だけで宮城を制圧、 すべてを城内で終わらせる予定です。
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どうか……力を貸していただきたい。
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二つ、条件があります。
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アランデル公を捕縛した暁には、 騎士団に引き渡すこと。
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そして、可能な限り騎士団が戦闘行為を 行わないよう配慮すること。
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問題ありません。 いずれの条件も、こちらの望むところです。
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もしアランデル公の情報が嘘と判明すれば、 我々も相応の対処をせねばならない。
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そのことについては、 ゆめゆめ忘れないでくれたまえ。
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無論です。我々が教団を謀る利など、 何もありませんので。
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では、騎士団の者を呼びます。 詳細はそちらと詰めてください。
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あなた方に、主のご加護があらんことを。