帝国　旧アランデル領
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確かに……アリアンロッドの守備力は、 相当落ちているようね。
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何だよ、皇帝陛下はまだ俺を疑ってたのか？ 隠し通路の情報まで売ったってのによ。
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油断も隙もない小僧よ。お前に隠し通路の 所在を教えたつもりはなかったのだがな。
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ははっ、伯爵はぺらぺら喋ってくれたぜ？ いつ、どこでとは言わねえけどなあ。
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アリアンロッド攻略のため、ローベ家の者の 助力を得られたことは望ましいわ。
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一度は帝国の力及ばず、 王国軍に奪取されてしまったもの。
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くっ……それはレスターの戦線で 失態を犯した私のせいだな。
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帝国に付き従うことを選んだローベ伯の 領地を、守り切れなかったとは……。
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だからこうして、再び取り返そうと しているんじゃないの。
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王国は今、内憂の対処に追われている。 この隙を見逃す手はないわ。
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ああ。でなければ、同盟側の処理に回った ヒューベルトに嫌味を山ほど言われよう。
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陛下、アリアンロッドにはセイロス騎士団が 駆けつけたとの報告があります。
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数は少ないですが、彼らはフォドラ有数の 騎士団。防衛戦もお手の物でしょう。
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王国軍の本隊が戻ってくる前に、 決着をつけられればよいですが……。
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そのためにも貴方たちの活躍が重要になる。 頼んだわ、グェンダル卿、ユーリス。
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……はっ。
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すでに攻略の準備は整っております。 隠し通路へとご案内いたしましょうぞ。
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まあ、一応金は貰ってるしな……。 俺も報酬分は働いてやるよ。
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私も汚名を返上させてもらおう。 このまま終わるわけにはいかない！
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ったく……あんたも律儀だよなあ。 あんな駄目伯爵に義理立てするなんてよ。
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わざわざ俺に高い金払ってまで、 取り戻したいもんか？　ローベの家は。
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その生意気な口は昔と変わらんな。 嫌ならばわしの依頼を拒めばよかったのだ。
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……伯爵は俺も手を焼く好き者だったが、 士官学校に入れてもらった恩もあるんでね。
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借りたもんは返さねえと落ち着かねえのさ。 ……それじゃ、俺様はそろそろ行くよ。
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ユーリス。
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あ？　んだよ爺さん。
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……無事を、祈っておるぞ。
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ああ……。あんたもな、とは言わねえよ。 良い死に場所が、見つかるといいな。