王国 ゴーティエ領某所
link マティアス volume_up
……よく聞け、シルヴァン。 お前が次のゴーティエ辺境伯だ。
link マティアス volume_up
私に代わり、ありとあらゆる外敵から 王を、民を、仲間を……家族を守れ。
link マティアス volume_up
かつての私には、守れなかったものだ。 ……不出来な父親で、すまなかったな。
link シルヴァン volume_up
………………。
link シルヴァン volume_up
……それで、爵位を継げって話でしたね。
link ディミトリ volume_up
ああ、連邦国の侵攻に呼応するように 北方の民の動きも活発化している。
link ディミトリ volume_up
この状況で、ゴーティエ辺境伯を 空位にしておくわけにもいかない。
link シルヴァン volume_up
もちろん謹んでお受けしますよ。 父上が発った時から、覚悟はしてましたし。
link シルヴァン volume_up
はは、しかしついに俺も当主か……。 兄上は何て言うんでしょうねえ。
link ディミトリ volume_up
彼が今更何かを言ってくるとは思わないが、 一応西部の拠点にも顛末を伝えておこう。
link ロドリグ volume_up
シルヴァン殿……本当に申し訳ありません。 辺境伯は、我々の退路を開くために……
link シルヴァン volume_up
謝らないでください。あんたが謝ったら、 父上がわざわざ死んだ意味がなくなる。
link シルヴァン volume_up
あの人は、誇りや家や国のためじゃなく、 自分のため、友誼のために命を使ったんだ。
link シルヴァン volume_up
最期まで、自己満足の勝手な判断を貫いた。 だから、何の後悔もあるわけがないんです。
link シルヴァン volume_up
城を発つ時の父上といったら。あれほど 晴れやかな顔は生まれて初めて見ましたよ。
link フェリクス volume_up
……だが、俺がもう少し上手く立ち回って いれば、辺境伯が亡くなることもなかった。
link シルヴァン volume_up
戦争なんだ。お前がいくら頑張ったって、 どうにもならない時ぐらいあるだろ。
link シルヴァン volume_up
フラルダリウス家はよく戦ってくれた。 アッシュも、みんなも、十分頑張ったんだ。
link シルヴァン volume_up
フラルダリウス家はよく戦ってくれた。あの アッシュが降伏するほどの戦場だったんだ。
link ディミトリ volume_up
……シルヴァン。
link シルヴァン volume_up
俺が憎いのは、平気で何もかも奪っていく 外の連中……“外敵”だけさ。