link フェルディナント volume_up
うむ……この茶葉も見事なものだったよ。 貴族に相応しい逸品だった。
link ローレンツ volume_up
いや、この茶菓子こそ見事な品だった。 よく取り揃えられたものだ。
link ローレンツ volume_up
しかし……何より賞賛すべきはこの品を 用意できた、君の貴族としての資質だな。
link フェルディナント volume_up
そこまで言ってくれるか、ローレンツ。
link フェルディナント volume_up
だが、これほどの紅茶を饗応されては、 君の素質こそを褒めそやさねばなるまい。
link ローレンツ volume_up
嬉しいことを言ってくれるではないか、 フェルディナントくん。
link フェルディナント volume_up
君のような真の貴族にかける言葉としては 陳腐なものさ。はっはっはっは!
link ローレンツ volume_up
いやいや君のような真の貴族が口にすれば、 その陳腐さも掻き消えるさ。はーはっは!
link シェズ volume_up
………………。
link シェズ volume_up
………………。
link コンスタンツェ volume_up
これはこれは真の貴族様がた。お二人が 揃うと、眩しさは倍以上でございますね。
link ローレンツ volume_up
コンスタンツェさんか。 おや、調子が悪いのかね?
link ローレンツ volume_up
君も紅茶をどうかと思ったのだが……。
link ローレンツ volume_up
コンスタンツェさん……またか。 さあ、紅茶を飲んで体を温めたまえ。
link コンスタンツェ volume_up
いえ、私めにそのようなご配慮など なさらずとも大丈夫です、ローレンツ様。
link ローレンツ volume_up
そうか。ならば無理には勧めないが…… 気が変わったら言ってくれ。
link フェルディナント volume_up
……?
link コンスタンツェ volume_up
そういえば、以前から気になっていた ことがあるのですが……
link コンスタンツェ volume_up
お二方にお伺いしてもよろしいでしょうか? かなり難解な疑問になります。
link ローレンツ volume_up
おお、何でも聞いてくれたまえ。 僕たちならばきっと答えられるだろう。
link フェルディナント volume_up
そうだな。我ら真の貴族たちに 答えられぬ疑問など、そうそうないさ。
link コンスタンツェ volume_up
では、失礼してお尋ねします。
link コンスタンツェ volume_up
貴方様がたは互いを貴族に相応しいと 褒め合っていらっしゃいますが……
link コンスタンツェ volume_up
実際に、どちらのほうがより貴族に 相応しくおられるのでしょうか。
link フェルディナント volume_up
どちらのほうが……?
link フェルディナント volume_up
いや、貴族に相応しいということは、 比べるような指標ではないのだ。
link コンスタンツェ volume_up
しかし、お二方はいつも比べて話して おられるではありませんか。
link コンスタンツェ volume_up
「この者よりはあの者のほうが貴族に 相応しい。いやその者が……」などと。
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む、それはそうかもしれないが……。
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待ちたまえ。仮に比べたとしても、僕らは 共に十分に貴族に相応しいと自負している。
link ローレンツ volume_up
そこに差はないのだ。 真の貴族とは、そういうものなのだよ。
link コンスタンツェ volume_up
僅かな差にはあえて目をつむり、勝ち負けを 曖昧にしておくのが真の貴族なのですね。
link コンスタンツェ volume_up
なるほど、貴方様がたの答えがそのようで あれば、私は比べてほしいとは思いません。
link コンスタンツェ volume_up
どうぞ貴族の頂の座に、お二方で仲良く お座りになっていてください。
link ローレンツ volume_up
待ちたまえ。それではまるで、我々が敗北を 恐れ勝負を避けているかのようではないか。
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君はまさか、私たちが一つの椅子に無理矢理 二人で座っていると言っているのかね。
link コンスタンツェ volume_up
いえ、とんでもないことです。お二方とも 貴族に相応しい素晴らしい方でございます。
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………………。
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………………。
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よかろう! そうまで言われて 引き下がっては貴族の名折れ!
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ああ、そのとおりだ。どちらが貴族として より上かはっきりさせようではないか!
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なんと素晴らしい決断でございましょう。 流石は真の貴族様がたですわ。
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ええ……本気で?
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ええ……本気で?
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本気だとも。ちょうどいい、 君に判断してもらおうではないか。
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ああ、そうだな。何をもって上とするかも 君に決めてもらうとしよう!
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そんなこと言われてもな……。 遠慮したいが。
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そんなこと言われても……。 遠慮させてもらえる?
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頼む。私は君の目を信頼しているのだ。 他の者では務まらない。
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はあ……俺がわかるのなんて、 戦いについてだけだぞ。
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はあ……私がわかるのなんて、 戦いについてだけよ。
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明確な指標があるわけではないのだ。 それで構わないとも。
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わかった。といっても、俺がわかるのなんて 戦いについてだけだぞ。
link シェズ volume_up
いいわ。でも、私がわかるのなんて、 戦いについてだけよ。
link ローレンツ volume_up
明確な指標があるわけではないのだ。 それで構わないとも。
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なら、そうだな……今度やる軍の演習の 結果とか? 白黒つけやすそうだし。
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なら、そうね……今度やる軍の演習の 結果とか? 白黒つけやすそうだし。
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ふむ……領主ともなれば、 兵を指揮するのは当然のこと。
link ローレンツ volume_up
その器を測ろうということか。
link フェルディナント volume_up
それに己の武力も確かめられる。 自分の身を守れてこその貴族だ。
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じゃあ、そういうことで。 エーデルガルトに一応言っとくからな。
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じゃ、そういうことで。 エーデルガルトに一応言っとくわね。
link コンスタンツェ volume_up
まあ……私の詮なき一言が、このような 戦いを生み出してしまうなんて……。
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これは真の貴族を決める戦い…… まさに頂上決戦。
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勝者こそが、真の貴族に相応しい、 “貴族の中の貴族”となるでしょう。
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コンスタンツェ……それ以上、 煽らないでくれないか?
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コンスタンツェ……それ以上、 煽らないでくれない?