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ふう……。
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陛下、軍議が長引いてお疲れでしょう。 紅茶をどうぞ。
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助かるわ、モニカ。 貴方も一緒に飲まない?
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ご一緒していいんですか? はい! 陛下、是非に!
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貴方が休んでいるところを、 あまり見た記憶がないから……。
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程々にするのよ? 頑張り過ぎて、体を壊しては困るわ。
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これは、夢ですか……? 陛下があたしの 心配をして、二人きりでお茶を……。
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体の心配くらい、いつもしているわよ。 それにお茶だって初めてではないでしょう?
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はい、もちろん。心配は208回目、 二人でのお茶は113回目の出来事です。
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はい、もちろん。心配は253回目、 二人でのお茶は139回目の出来事です。
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しっかりと記録も記憶もしていますので、 大丈夫ですよ。
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何が大丈夫なのかしら……。 はあ、いろいろな意味で心配だわ。
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また心配を……!
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でも、それだけ貴方の頑張りに助けられて いるということでもあるものね。
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私は貴方にちゃんと返せているかしら? もし願いがあるなら言ってちょうだい。
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………………!
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お願いを、聞いてくれるんですか!?
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このモニカ=フォン=オックス、 叶わぬ願いと知りながら、陛下に……
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待って。待ちなさい。 私が聞ける、常識的なお願いで頼むわよ。
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はい……。そ、その、大変不敬ながら、 膝枕を所望してもよろしいでしょうか……!
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……ええ、そのくらいならいいわよ。
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ありがとうございます。お優しい陛下に、 よりいっそうの忠誠を捧げます……。
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もう十分、受け取っているわ。 貰うべきではないほどの忠誠をね。
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……そういえば、陛下にお伝えしたいことが あったんです。
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陛下は、あたしを見捨てようとしたことで、 ずっと自分を責めているみたいですけど……
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あたしは、もしあの時に死んだとしても、 本当に嬉しかったはずですよ。
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だって、陛下が目的を果たすためのお役に 立てたんですから……。
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それじゃ、 あたしはお茶の準備をしてきますね。
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……まったく、困ったわね。
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あんなに強い人だったなんて、 まるで知らなかったわ。
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……ありがとう、モニカ。