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はあっ!
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やっ!
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やりました、レオニーさん! 大きな鹿ですね……!
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ああ、みんなも喜びそうだ。 じゃあ手早く解体して……ん?
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どうしました?
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なあ、イグナーツ。 この鹿、矢が1本しか刺さってないよ。
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あ、本当だ……。ボクとレオニーさん、 どちらかは外してしまったんでしょうか?
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2本とも当たったような気が していたんですけど……。
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矢は軍の支給品だから、 見た目で区別はできないしな。
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まあでも、これはわたしの矢かね。 良い手応えがあったし、間違いないよ。
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ええっ、ボクのって可能性はないんですか? ほら、あんまり深く刺さっていませんよ。
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非力なボクの矢じゃないですか? いえ、その、自信はないですけど。
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ああ、言われてみると…… あんたの腕が百発百中なのは確かだしね。
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でも、そしたら、わたしのあの手応えは 何だったんだ? 自信あったんだけどなあ。
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何か別の獲物に当たった、とか? いえ、見当たらないですよね、あはは……。
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まあいいや。矢を抜いといてくれ。 わたしは吊るす場所を用意するよ。
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は、はい。 わかりました!
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ん、あれ? 奥に何か……あっ!
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おーい、イグナーツ。何やってるんだ? 血抜きの準備は終わったぞ。
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レオニーさん! もう一本の矢、見つけましたよ!
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何だよ、嬉しそうに。 矢は、どこに刺さってたんだ?
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刺さった矢の奥から、 砕けた矢じりが見つかったんです。
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それで辺りをよく探してみたら、 弾け飛んだ矢の欠片みたいなものが……。
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ってことは……最初に刺さった矢に、 次の矢が命中したってことか?
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そうみたいです。矢が浅く刺さってたのも そのためだったんですよ。
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なるほどねえ。でもさ、二人の狙いが 完璧に一致するなんて凄い偶然だよな。
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ええ、寸分たがわず同じ場所に 命中したってことですもんね。
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いやあ、当たった!っていう手応えが 錯覚じゃなくて良かったよ。
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かなり自信があったから、違うんなら どうしようかと思っててさ。
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ボクも、勘が鈍ったんじゃないかと思って 不安になっちゃいましたよ。
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ぷっ……あっはっはっは! わたしたち、同じことを考えてたんだな。
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あははは! そうですね。自分の矢だって 言いつつも、相手のだと思ってたというか。
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そりゃそうだろ? イグナーツが この距離で外したところ、見たことないし。
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それを言ったらレオニーさんもそうですよ。 狩りの腕は、抜群じゃないですか。
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……はは、仲間にあんたみたいな奴がいて 良かったよ。戦場でも心強いしな。
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こちらこそ、ですよ! これからも一緒に頑張りましょうね!