link ジェラルト volume_up
……よう、[HERO_MF]。 お前も釣りに来たのか。
link シェズ volume_up
……! お、おう。
link ジェラルト volume_up
そう身構えるなよ。 今の俺たちは味方同士だろうが。
link シェズ volume_up
そうなんだが、まだ慣れなくてな。
link ジェラルト volume_up
もう殺し合う必要はねえんだ。仲良く肩を 並べて釣り糸を垂らそうじゃねえか。
link ジェラルト volume_up
お前も傭兵なんだろ? 契約が終わったら、敵味方はなしだ。
link シェズ volume_up
それもわかるが…… アンタ、俺のこと覚えてなかったのか。
link ジェラルト volume_up
あん? どういう意味だ?
link シェズ volume_up
俺は昔、ベルラン傭兵団にいたんだ。
link ジェラルト volume_up
ベルラン…… ああ、あの女傑んとこにいたのか。
link シェズ volume_up
ああ、アンタに潰された傭兵団だぞ。 団長も仲間も、アンタらとの戦闘で死んだ。
link ジェラルト volume_up
そういうことか……俺を恨んでるのか?
link シェズ volume_up
そりゃ、恨みがないって言えば噓になるな。 俺はあの傭兵団が好きだった。
link シェズ volume_up
団長や仲間たちとも馬が合ってな。 居心地がよかったんだ。とても。
link シェズ volume_up
それが……突然なくなっちまって。 その時は強がってはいたが、寂しかったさ。
link シェズ volume_up
いいや。いちいち相手を恨んでたら、 傭兵稼業なんざやってられないだろ。
link シェズ volume_up
だが、だいぶ堪えたぞ。 俺はあの傭兵団が好きだったからな。
link シェズ volume_up
団長や仲間たちとも馬が合ってな。 居心地がよかったんだ。とても。
link シェズ volume_up
それで、あの後で誓ったんだ。
link シェズ volume_up
いつかもっと強くなって、 アンタや“灰色の悪魔”を倒すってな。
link ジェラルト volume_up
だが、俺らが仲間に加わっちまって、 その望みも絶たれたか。
link シェズ volume_up
そうなる……が、 ほっとしてる自分もいるさ。
link シェズ volume_up
アンタはともかく“灰色の悪魔”には 勝てる気がしなかったからな……。
link ジェラルト volume_up
おいおい、聞き捨てならねえなあ。 俺になら勝てるってのか?
link シェズ volume_up
やってみなきゃわからないが。 ……ところで、アンタ。
link シェズ volume_up
仲良く釣り糸を垂らそうとか言って、 さっきから全然準備が進んでないぞ。
link ジェラルト volume_up
釣り針がな……上手く付けられなくてよ。
link シェズ volume_up
……貸してみな。 付けてやるから。
link ジェラルト volume_up
はは、上手いもんだな。 ありがとよ。
link シェズ volume_up
アンタ、伝説の傭兵って言われてんだろ? なのに手先は案外、不器用なんだな。
link ジェラルト volume_up
伝説ってのは死んだ人間に使う言葉だろ。 俺はまだ生きてるってんだよ。
link ジェラルト volume_up
……なあ、ベルランのことだが。 悪かったな。
link ジェラルト volume_up
小領主が見栄を張り合ってるだけの、 ちっぽけな戦いだっただろ。
link ジェラルト volume_up
あいつが向かってさえ来なけりゃ、 討たずに済ませる手もあったんだが……。
link ジェラルト volume_up
ベルランの奴、俺たちを倒して名を上げる とか言って、妙に張り切っちまってよ。
link ジェラルト volume_up
ベレトも手加減する余裕なんて なかった。言い訳にもならねえ話だがなあ。
link シェズ volume_up
……昔のことだ。 アンタは傭兵の仕事をしただけさ。