link シルヴァン volume_up
夜の散歩にお付き合いいただき ありがとうございます、お嬢さん。
link メルセデス volume_up
ううん。誘ってくれて嬉しいわ~。 私、夜のお散歩って結構好きなの。
link メルセデス volume_up
月や星がとっても綺麗に見えるし、 夜にしか咲かない花だってあるのよ~。
link シルヴァン volume_up
へえ、そりゃあいい! 君らしい素敵な趣味じゃないか。
link メルセデス volume_up
ありがとう。 それで、話って何かしら~?
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あー、その……君の、縁談についてさ。 君はどう考えてるのかと思って。
link メルセデス volume_up
あら! よく知っているわね~。
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何しろ相手はうちの領内の小領主だ。 俺のところにも話は入ってくるさ。
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君は、受けるつもりなのかい? まあ俺も、 あいつは悪い奴じゃないとは思うが……
link メルセデス volume_up
う~ん……そうね~……。 養父の意向だもの。仕方ない、とは思うわ。
link メルセデス volume_up
もちろん、できるなら受けたくはないわ。 私には、まだやりたいこともあるし……。
link メルセデス volume_up
でもね、今回ばかりは どうしようもなさそうなのよね~。
link シルヴァン volume_up
嫌なら断ればいいんじゃないか? 今までだって何度も断ってるんだろ。
link メルセデス volume_up
あんまり何度も断ったものだから、 とうとう養父も痺れを切らしてしまって。
link メルセデス volume_up
先に相手に話を通したみたいで、 簡単には断れなくなっちゃったの~……。
link シルヴァン volume_up
酷い話だな。君自身の意志はお構いなしか。 君が紋章を持って生まれたからって……
link メルセデス volume_up
生まれてくる場所は、選べないわ。 花が咲く場所を選べないのと同じ。
link メルセデス volume_up
飢えや乾きに苦しまずに済むのだから、 窮屈な場所だろうと文句は言えないわよ~。
link メルセデス volume_up
それは私もあなたも同じこと…… みんな、生えた場所に咲くしかないのよ。
link シルヴァン volume_up
確かに、花は咲く場所を選べないよな。
link シルヴァン volume_up
死ぬまで自分の行きたい場所にも行けず、 環境が悪ければそのまま枯れていくだけだ。
link シルヴァン volume_up
けど俺たちの足は根っこじゃない。自分で 足を動かして、好きな場所に行けるんだ。
link シルヴァン volume_up
上手く立ち回れば、自分のやりたいことを 諦めなくていいかもしれないんだぜ。
link メルセデス volume_up
う~ん……上手く立ち回ると言っても、 いったいどうしたらいいのかしら……?
link シルヴァン volume_up
縁談を立ち消えにするってだけなら…… 例えば、俺が君に結婚を申し込むとか。
link メルセデス volume_up
え、え~っと……? 縁談を立ち消えにするために、結婚……?
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あ、あーその……これは断じて、君を 口説いてるとか、そういうのじゃないんだ。
link シルヴァン volume_up
ただ、ゴーティエの嫡男である俺が 君に結婚を申し込めば……
link シルヴァン volume_up
相手も引かざるを得なくなるだろう。 まあ多少関係は悪くなるかもしれないが。
link シルヴァン volume_up
その後は、君のやりたいようにやればいい。 教会で働こうが、何になろうが構わないさ。
link メルセデス volume_up
でも、そうしたらシルヴァンは、好きな 相手と結婚できなくなっちゃうわよ~?
link シルヴァン volume_up
ははは、本気で言ってるわけじゃないさ。 ただ、やり方はいろいろあるって話だ。
link メルセデス volume_up
……ふふ。あなた、結構したたかよね~。 そういうところ、私は好きよ。
link シルヴァン volume_up
お褒めに与り光栄だ。……もし俺の力が 必要な時は、いつでも言ってくれよな。