- [HERO_MF]、待たせたわね。
宮城の居心地はどうかしら。
- 良いと言う
- 悪いと言う
- 思ってたより良いよ。
場違い感は否めないがな。
- 思ってたより良いわ。
場違い感は否めないけどね。
- 正直、良いとは言えないな。
傭兵には合わない場所だ。
- 正直、良いとは言えないわ。
傭兵には合わない場所よ。
- 確かに……貴族やその従者ばかりだものね。
これからは変わっていくでしょうけれど。
- 私が皇帝になったからには、いつかは
身分による差をなくしてみせるわ。
- 貴族も平民もない、誰もが自由に
上を目指せる世を……。
- 貴族も平民もない、か。
途方もないが……実現できたら凄いな。
- 貴族も平民もない、か。
途方もないけど……実現できたら凄いわね。
- ええ……それで、実は貴方に依頼があるの。
傭兵としての仕事よ。
- 傭兵……?
- 傭兵……?
- 皇帝を傀儡にしていた宰相一派の排除は、
ひとまずは上手くいったわ。
- それでも多少の混乱は免れず、
私は帝都を離れられない状況にあるの。
- つまり……ガルグ=マクに戻り、
士官学校で学んではいられないのよ。
- 他の皆も、なのか?
- 他の皆も、なの?
- 当主の代替わりや、新体制への移行などで
どの貴族も家中は騒がしくなっているわ。
- ドロテアのように直接は関係のない生徒も
いるにはいるのだけれど……
- 皆が戻らないのに自分だけ戻っても、と
残って協力を申し出てくれているの。
- もし貴方もそうしてくれるのなら、帝国の
新しい軍制の一角を担ってちょうだい。
- また凄い誘いが来たものだね。
教団に義理もないし、面白い話じゃないか?
- 軍制の一角?
ただの傭兵だぞ、俺は。
- 軍制の一角?
ただの傭兵よ、私は。
- だからよ。ヒューベルトが傭兵を集めて
新しい部隊を作りたいと言うの。
- 傭兵たちの指揮を、その辺の貴族に
させるわけにはいかないでしょ?
- その点、貴方なら実力も確かだし……
ヒューベルトもやりやすいと思うわ。
- 傭兵隊長か。
若い俺に務まるかは知らないが……
- 傭兵隊長か。
若い私に務まるかは知らないけど……
- そこまで評価してくれるんだ。
しっかり応えてやるさ。
- そこまで評価してくれるなら、
しっかり応えてあげるわ。