0. ふふっ。 ご機嫌いかがです、陛下？
1. ……良さそうに見えるか？ だとしたらその両目は節穴にも劣るな。
2. 本当ならば、今ここで貴様の首を 引き抜いてやりたいくらいだ。
3. あらあら、説得力のあるお言葉ですこと。 けれど……あなたにはそれができない。
4. それをした瞬間、城下の民は 命を落とすことになるのですからねえ。
5. ………………。
6. 先代のフラルダリウス公と、 あなたの忠実な老騎士……
7. 何やら頑張っているようですけれど、 あの寡兵では時間稼ぎにもならない。
8. 彼らを始末したら、次はあなたの番。 民衆の前で首をはねて差し上げましょう。
9. ……貴様の悪趣味も、そこまで極まれば いっそ清々しいものだな。
10. まあ……お褒めに与り光栄ですわ。
11. 皮肉なものですわねえ。親子そろって、 身内に背かれて命を落とすだなんて。
12. 改革を急げば、背かれて殺される…… 父親の姿から何も学ばなかったのかしら？
13. あなたが救わなかった人々は、 あなたに恨みを持って当然でしょうに。
14. ……コルネリア様！　南方から王都に 向かってくる軍勢を確認いたしました！
15. 恐らくはアリアンロッドから 引き返してきた兵かと……！
16. ふう……根回しも不十分でしたものねえ。 それにしても、思いのほか進軍速度が速い。
17. 賊を使って時間を稼ぎ、 その間に陣容を整えなさい。王都で迎撃を。
18. 承知いたしました！
19. ほんの少し生き永らえましたわね、陛下。 つくづく運の良いお方。
20. ……安心なさって？　あなたが死んでも、 このフォドラは何一つ変わりはしません。
21. 民衆など愚かなもの。王が斃れたところで、 すぐ新しい権力者に阿るだけですわ。
22. ………………。
23. 俺が救わなかった人々は、 俺を恨んで当然……か。
24. ……報いを受けるのも、仕方のない話だな。