- とんだ強行軍だったが、ひとまず無事に
終わって良かったな。
- とんだ強行軍だったけど、ひとまず無事に
終わって良かったわね。
- ええ、二人とも、助かりました。
ありがとうございます。
- 私も安心して戻れるというものだ。
ヴァーリ伯爵夫人にも土産話が出来たしな。
- あ、えっと、はい。
- ああ、君のことを心配していたからな。
何も問題ないと伝えておくよ。
- よろしく、お願いします。
- では、私は先に失礼させてもらう。
- 好意的に見送る
- 懐疑的に見送る
- 今まで出会った帝国貴族の中で、一番
まともというか……普通の人だったな。
- 今まで出会った帝国貴族の中で、一番
まともというか……普通の人だったわね。
- 信頼できそうというか。
実際どうなんだ?
- 信頼できそうっていうか。
実際どうなの?
- ふふっ、見たままの、実直な方ですよ。
- 今まで出会った帝国貴族の中で、一番
まともというか、普通の人に見えたが……
- 今まで出会った帝国貴族の中で、一番
まともというか、普通の人に見えたけど……
- 実態は違うんだろうな。
貴族だし、腹に一物抱えてるのかもしれん。
- 実態は違うんでしょうね。
貴族だし、腹に一物抱えてるのかも。
- そんなことはありません。
見たままの、実直な方ですよ。
- 自分の家を大事にするという意味では、
貴族の例に漏れませんが。
- そんなもんか。
ベルナデッタのことも気遣ってくれたしな。
- そんなものかしら。
ベルナデッタのことも気遣ってくれたし。
- ……それにしても、洞窟はいいなあ。
澄んだ空気が澱んでるっていうか。
- 引き籠もるには最適な場所だよ。
- 澄んだ空気が澱んでる……?
- 澄んだ空気が澱んでる……?
- うん、山の空気は澄んでますよね。
その空気が洞窟に溜まるのが良いんです。
- うん、山の空気は澄んでるよね。
その空気が洞窟に溜まるのが良いんだよ。
- ………………?
- ………………?
- でも、こういう洞窟は、魔物たちの
住み処になっていたり……
- 今回のように賊の根城になっていたり
することがよくありますよ。
- 引き籠もるのは大変だと思いますけど……
命が幾つあっても足りません。
- そ、そういう考え方もあるよね。
確かに一人では危ないかも。
- それに、大雨で水がしみ出したり、
嵐が来て崩れる可能性もあります。
- やっぱり引き籠もるなら人の作った
住居じゃないと……。
- 何でそんなに脅かすのお!? もうベルは
洞窟に引き籠もったりしないもん!
- おい、今までだって洞窟には
引き籠もってないだろ……。
- ちょっと、今までだって洞窟には
引き籠もってないでしょ……。
- そもそも引き籠もってないですし!
いつも顔を合わせてますよね、あたしたち?
- そもそも引き籠もってないし!
いつも顔を合わせてるよね、あたしたち?
- 否定する
- 肯定する
- そうか?
前に顔を合わせたのっていつだっけ……。
- そう?
前に顔を合わせたのっていつだっけ……。
- えええ……酷いです!
何でそんなこと言うんですかあああ……。
- えええ……酷いよお!
何でそんなこと言っちゃうのおおお……。
- そう言われればそんな気もするな。
- そう言われればそんな気もするわね。
- そんな気もする!?
酷い言い草ですううう……。
- そんな気もする!?
酷い言い草だよおおお……。
- すまんすまん、今のは俺が悪かった。
- ごめんごめん、今のは私が悪かったわ。
- わかればいいんですよ、わかれば。
気をつけてくださいね。
- わかればいいんだよ、わかれば。
気をつけてね、ほんとに。
- これにて一件落着ですか?
では、戻りますよ。