1. ……ようやく片づいたな。 犠牲も出さずに済んだ。上々の結果だろう。
  2. ええ、そうね……。
  3. あの者が“ダスカーの悲劇”に加担したのは 結局、何のためだったのかしら。
  4. 金のためだと推測する
  5. 恨みがあったと推測する
  6. 想像もつかない理由があったと推測する
  7. 絵を描いた連中に金で買われたんだろ。 だいたいの理由はそんなもんさ。
  8. 絵を描いた人たちに金で買われたんでしょ。 だいたいの理由はそんなものよ。
  9. ……だとすれば、誰が金を渡したのか、 身辺をきちんと洗う必要がある。
  10. そうですね。何か新しいことが 明らかになるかもしれませんから。
  11. ファーガスに恨みがあった、とか? どんな恨みだったかはわからないが。
  12. ファーガスに恨みがあった、とか? どんな恨みだったかはわからないけど。
  13. だとすれば、その恨みとやらがどんな ものだったのかを洗わねばならなくなるな。
  14. これだけのことを仕出かしたんだ。 深い理由と覚悟があったんじゃないか?
  15. これだけのことを仕出かしたのよ。 深い理由と覚悟があったんじゃない?
  16. 例えば……うーん、そうだな。 ダスカーの未来を想ってやった、とか。
  17. 例えば……うーん、そうね。 ダスカーの未来を想ってやった、とか。
  18. ……だとすれば、とんだ悪手だな。
  19. まあ、どんな理由があったかは知らんが 今、俺たちが詮索しても仕方ないことだ。
  20. ……ああ。陛下ならば きっと、明らかにしてくださる。
  21. ……そうですね。信じて、待ちましょう。
  22. さて、行きましょうか。今回の顛末は、 ダスカーの人々にも報告しなければ。
  23. 待て、イングリット。 ……寄りたい場所がある。
  24. 寄りたい場所……ですか?
  25. ……森の奥に、湖がある。 そのほとりに……花畑があったはずだ。
  26. かつて王国軍の襲撃を受けた際、 この一帯は馬蹄で踏み荒らされたが……
  27. ……長い月日が経った今、 どうなったのかを見ておきたい。
  28. 花畑……。素敵ですね。 折角です。私も同行して構いませんか?
  29. ああ、もちろんだ。
  30. それじゃ、俺も行くか。 フェリクスも来るよな。
  31. それなら私も行くわ。 フェリクスも来るわよね。
  32. フン……興味はないが、まあいいだろう。 まだ仕事は残っているし、長居はできんぞ。
  33. すごい……見とれてしまいますね。 森の奥に、こんな場所があったなんて。
  34. ……昔、よく妹と共に来た場所だ。 ここまで、昔の姿を取り戻していたとはな。
  35. ここまで……ということは、本来、 もっと美しい場所だったのでしょうか。
  36. ああ。それは、間違いない。
  37. ふふ、いつか本来の姿を この目で見てみたいものです。
  38. ここが先王陛下の最期の地だというなら、 あの人も……この景色を見たのかしら。
  39. ……そうかもしれんな。
  40. ダスカーの情勢が落ち着く頃には、 ここも一面の花畑になっているだろう。
  41. その時には……共に見に来るとしよう。 お前の許嫁が、見たかもしれん景色を。
  42. ……はい。
  43. ………………。
  44. なあ、フェリクス。ちゃんと景色を 見なくていいのか? 綺麗だぞ。
  45. ねえ、フェリクス。ちゃんと景色を 見なくていいの? すごく綺麗よ。
  46. たまには景色を見ながら、兄さんのことでも 思い出してやったらどうだ。
  47. たまには景色を見ながら、兄さんのことでも 思い出してあげたらどう?
  48. フン、くだらんな。確かに、時には 過去を思い返すのも大事かもしれんが……
  49. そんな不確かなものにすがらずとも、 俺にはもう、生きる標がある。
  50. 兄の守ったものを、守るという義務がな。
  51. 領地のことかと聞く
  52. ディミトリのことかと聞く
  53. 兄さんの遺した、守るべきもの…… あ、フラルダリウス領のことか?
  54. 兄さんの遺した、守るべきもの…… あ、フラルダリウス領のことかしら?
  55. 違う。確かに自領を守る義務はあるが、 別に兄上が守ったというわけではない。
  56. 兄が守り、残したのは、王国の未来だ。
  57. 兄さんが守ったものって…… 要は、ディミトリのことか。
  58. 兄さんが守ったものって…… つまり、ディミトリのこと?
  59. まあな。兄上は命を懸けてあいつを…… ファーガスの未来を守り抜き、残した。
  60. ……だが、あまり未来だ何だと言うと、 あの馬鹿はまた一人で背負いたがる。
  61. いいな、今話したことは他言無用だ。 特にあの猪には絶対に言うな。
  62. 了承する
  63. 了承しない
  64. ああ、わかってるさ。
  65. ええ、わかってるわよ。
  66. フン……ならばいい。
  67. そう言われると言いたくなっちまうな。 さて、どうしようか。
  68. そう言われると言いたくなっちゃうわね。 さて、どうしようかしら。
  69. チッ、からかうな、阿呆が。 まったく……。
  70. ………………。
  71. 花畑や景色などに興味はなかったが、 こうして見ると、なかなか悪くはないな。