1. うーん……やっぱり拠点じゃ、 資料も少ないわ……。他には……
  2. おや、リシテア殿……奇遇ですな。 このような夜更けに調べものとは。
  3. ひっ!? ひゅ、ヒューベルトですか!
  4. 驚かさないでくださいよ! あんたはただでさえ怖いんですから!
  5. 左様ですか。近頃、夜な夜な目撃される 人魂の話よりは、怖くないと思いますがね。
  6. 人魂!? え、ええと、それは、 この辺りで目撃されているわけじゃ……
  7. いえ、まさにこの教練所の付近です。 まったく恐ろしい話ですよ。
  8. わ、わたしは急用を思い出したので! おやすみなさい!
  9. 貴殿もそう思いませんか? 私の持つ 明かりを人魂などと呼ぶとは……。
  10. おや、リシテア殿は最後まで聞かずに 行ってしまいましたか。くくく……。
  11. 最近、食堂で出る食事に野菜があんまり 入っていなくって、幸せだわ……。
  12. ん、あれは……?
  13. そうですか。気づく様子もない、と。
  14. はい。好みは人それぞれですが、どうしても 肉が好きで野菜は苦手な者が多いですから。
  15. 美味しい肉や、甘い煮汁の中に、今まで 以上の大量の野菜が入っているなんて……
  16. 想像もせずに美味しく味わっている者が ほとんどでしたよ。もちろん、あの方も。
  17. それは重畳です。 では引き続き頼みましたよ。
  18. 大量の野菜……? も、もしかしてさっきのご飯にも……!
  19. おや、こんなところでどうしました? 何か驚くことでも?
  20. 野菜がいっぱい…… って、ヒューベルト!?
  21. な、何でもないですよ。 わたし、忙しいので。失礼します。
  22. やれやれ……なぜ私が野菜の調理法を 考えねばならないのでしょうな。
  23. これも将兵の健康管理の一環と思えば……。
  24. おや、リシテア殿。 ご機嫌ですな。
  25. ええ、エーデルガルトからとっておきの お菓子を貰えるって聞いて……
  26. って、何であんたにこんな話をしなきゃ ならないんですか。
  27. そう邪険に扱うと、お菓子が手に入らない かもしれませんよ。
  28. そのお菓子を貴殿に渡す役目、陛下から 命じられたのは私ですので。
  29. そういうことは早く言いなさいよ。 なら、ほら、お菓子を。
  30. わかりました。 合わせて紅茶も用意することにしましょう。
  31. ……?