1. おーっほっほっほ! ようやく話す機会を持てましてよ!
  2. コンスタンツェ? 話、何、ですか、わたし……
  3. いいですこと、私には遠慮は無用です。 何のわだかまりもないのですから!
  4. ……何の話、する、しています? わたし、わかりません。
  5. もちろん、ブリギットと帝国の間にあった わだかまりのことですわ!
  6. 先の戦争、ですか。 わたし、確か、思うところ、ある、あり……
  7. そう、確かに貴方のお父様は、私の家…… ヌーヴェルに攻めかかりました。
  8. あの戦争で、私は家族も、友も、領地も すべてを失うことになりましたのよ。
  9. 貴方もまたお父様や、多くのブリギットの 民を失ったことでしょう。
  10. しかし、私も貴方も、その戦いには 参加しておりませんわ!
  11. そのような私たちが、過去の恨みを継いで 争うことに、私は価値を感じませんの!
  12. おわかり? 以上ですわ! おーっほっほっほっほっほっほ!
  13. ………………。
  14. わたし、返答する間、ない、皆無でした。 コンスタンツェ、鮮烈です。
  15. しかし、わたし、言葉、返す必要、 あります。彼女の思い、応える、応えます。
  16. コンスタンツェ。 先程の話、わたし、返事する、します。
  17. これはペトラ様。先程は「私」がご迷惑を おかけしたようで伏してお詫びいたします。
  18. 私のような零落した者が、やんごとなき お方にあのような非礼を働くなど……
  19. コンスタンツェ……?
  20. 厚かましいお願いではありますが、 何卒お許しいただけると幸いでございます。
  21. はい、許す、問題ないです。 わたし、非礼、思っていない、いません。
  22. なんとお優しいお方でございましょうか。 私めのような者にお慈悲をくださるなんて。
  23. 流石は一国を統べるべきお方。 私はそのご威光にすがる路傍の石ですわ。
  24. コンスタンツェ、話、聴く、願います。
  25. わたし、あなた、複雑な関係、承知する、 しています。
  26. それ、向かい合い、日々、考えながら、 苦しみ、悩み、乗り越える、最中です。
  27. しかし、あなた……強烈、でした。 わたしの心、打ち抜く、驚き、あります。
  28. まあ、そのようにお褒めいただいて、 まことに恐縮し切りでございます。
  29. ですが、私は私、ペトラ様はペトラ様です。 私の妄言などお気に留める必要も……
  30. ああ、これもまた貴方様を否定することに なってしまいますわ。失礼いたしますわね。
  31. ………………。
  32. コンスタンツェ、真意、どちら、あります? ……わかりません。