link ホルスト volume_up
はっ、たっ、やあっ!
link ヒルダ
………………。
link ホルスト volume_up
そこにいるのは、ヒルダだな?
link ヒルダ volume_up
わっ! びっくりした。 兄さん、あたしに気づいてたの?
link ホルスト volume_up
我が愛しの妹の気配に気づかぬはずもない。 私の心は常に研ぎ澄まされているからな。
link ホルスト volume_up
地道に鍛錬を積めば誰でもできる芸当だ。 おまえも試してみたらどうだ?
link ヒルダ volume_up
あたしが地道な努力とかすると思うー? そういうの、ほんっと苦手だから。
link ヒルダ volume_up
いつもやってる鍛錬だって、 やらなくていいならやりたくないしー。
link ホルスト volume_up
はっはっは! おまえは努力せずとも優秀な 天才肌だからな。その才能が眩しいよ。
link ホルスト volume_up
そうだ、折角一緒にいるのだ。 昔のように、少し鍛錬に付き合わないか。
link ヒルダ volume_up
昔って……兄さんがあたしを背負って 屈伸するやつのことでしょ……?
link ヒルダ volume_up
嫌だよー。小さい頃は楽しかったけど、 今は流石に恥ずかしいって。
link ホルスト volume_up
そうか。それは残念だな。
link ヒルダ volume_up
そういえば、兄さんはいつまで あたしたちと一緒にいるのー?
link ホルスト volume_up
いられる限りはいるつもりだ。円卓会議が 催されるたびに出てくるのも大変なんでな。
link ホルスト volume_up
パルミラに何か怪しい動きがあれば、 すぐにでも戻らねばなるまいが……。
link ホルスト volume_up
いられる限りはいるつもりだ。この戦時下、 陛下の側におらねば役にも立てぬからな。
link ホルスト volume_up
爵位を継いだとはいえ父上も健在だ。 私が留守でも領地のことは心配あるまい。
link ヒルダ volume_up
ふうん……別にあたしがここにいるから、 兄さんもいてくれるってわけじゃないんだ?
link ホルスト volume_up
何だ、不満か? そういう過保護なことを 言うと、おまえはいつも嫌がるじゃないか。
link ホルスト volume_up
無論ここにおまえがいるのが最大の理由だ。 私がいる限り、おまえの身は私が守り抜く!
link ホルスト volume_up
ついでに、おまえに言い寄る不届き者どもも 成敗してやらねばなるまい。はっはっはっ!
link ヒルダ volume_up
えーと、それは遠慮したいなー。 誰もあたしに寄りつかなくなっちゃう。
link ヒルダ volume_up
でも、あたしのこともちゃんと考えて くれてたんだね。ちょっと嬉しいかも。
link ホルスト volume_up
ああ。それに……ここにいる理由は 実は他にもあるのだ。
link ヒルダ volume_up
他の理由って?
link ホルスト volume_up
ベルグリーズ伯のような一流の武人と 剣を交える機会は、そうあるまい?
link ホルスト volume_up
王国やセイロス騎士団の強者たちと 剣を交える機会は、そうあるまい?
link ホルスト volume_up
真の武勇とは、強者との命を懸けた 戦いでこそ磨かれるものなのだ。
link ホルスト volume_up
この先、そんな猛者たちと相まみえることが できるのだと思うと、身震いが止まらん!
link ヒルダ volume_up
はあ、なるほどねー……。
link ヒルダ volume_up
結局、それが一番の理由なんでしょう? はいはい、わかりましたーっと。
link ホルスト volume_up
いや、誤解するな。何よりも大切なのは 言うまでもなく我が愛しの妹だ!
link ヒルダ volume_up
いいから、いいから。 それじゃ、鍛錬頑張ってねー。
link ホルスト volume_up
待て、待ってくれ、我がヒルダよ! 戻ってきてくれーっ!