1. 坊や! 大変だ!
  2. ジュディット……今の俺は坊やじゃなくて 盟主だって言ったろ?
  3. それで、何があったんだ?
  4. 聞いて腰を抜かすんじゃないよ。 帝国軍がガルグ=マクを陥落せしめたんだ。
  5. 圧倒的な兵力差があっては、さしもの セイロス騎士団も抗せなかったか……。
  6. は? ……いや、待て待て。 日数の計算が合わないだろ。
  7. そんな大軍がどこを通って ガルグ=マクに……
  8. ……まさかグロスタール伯か!? それと、アケロン……。
  9. そのとおりさ。 二つの家が帝国に鞍替えしたんだ。
  10. ミルディン大橋北岸のフレゲトン領も、 グロスタール領も、すべて素通りだよ。
  11. あいつら……やってくれたな!
  12. 帝国に挙兵の兆しありと伝えた時には、 国境は任せろと豪語してたってのに……
  13. 裏ではすでに帝国と話をつけてたんだな。 気づけなかった俺の失態だ。
  14. すべて書面でのやり取りだ。それで 気づけってのは無理な話だよ、盟主様。
  15. だが……あのエーデルガルト相手に、 後手に回っちまった。
  16. これであいつは同盟に対して、 強く出てくるだろう。厄介だな。
  17. 何の用だ?
  18. クロード様、急な来客です! その、ゴネリル公爵家のホルスト卿が……
  19. ホルストさん? レスター最強の男が、 いったいどんな風の吹き回しだ!?
  20. その、それが……
  21. 悪いな、盟主殿。 約束なしでお邪魔させてもらった。
  22. たまたまデアドラの近くにいる時に、 ガルグ=マクの報を聞いたものだからな。
  23. あっ、もうそこにいたのか…… いや、問題ない。入ってくれ。
  24. こっちもちょうどその話で 頭を悩ませてたところだった。
  25. グロスタール伯の件は聞いたか? こうもあっさり鞍替えするとはな。
  26. 帝国への対応を誤ると同盟が割れちまう。 あんたの知恵も貸してくれ。
  27. もしかしたら、その腕っぷしもな。
  28. ああ、任せてくれ。 できる限りのことはする。
  29. レスターの安寧と独立を守るため、 力を合わせよう。