0. ……ごちそうさまでした。
1. ん、まだ肉が残ってるが……食わないのか？ 珍しいオグマクズリの肉だぞ？
2. 私、お肉はあんまり…… よかったら、どうぞ。
3. じゃあ、遠慮なく。この肉を食うと、 不思議と力が湧いてくるんだよな。
4. ふふ……美味しそうに食べるんですね。
5. お、お前が笑うなんて珍しいな。 俺、そんなに面白い顔をしてるか？
6. いえ、でも見ていて幸せな気持ちになれる 顔をしていました。
7. 他人の食ってる顔を見てるより、 自分で食ったほうが幸せだと思うがな。
8. 見ているだけでも、十分です。
9. へえ……それはそうと、マリアンヌも だいぶ俺と飯を食うのに慣れたよな？
10. はい、無理して何かする必要はないって 言われて、最初は困ったんですけど……
11. 何かわかるかと、あなたと話していたら、 一緒に食事するのも徐々に平気に……。
12. そうか。それなら俺とだけじゃなくて、 他の奴らとも一緒に食べたらどうだ？
13. 食卓を囲んでると自然と話が弾むし、 仲良くなれる良い機会だと思うんだが。
14. 俺相手でできたんだ。 次は別の相手に歩み寄ってみるってのも……
15. ………………。
16. あれ……どうかしたか？
17. いえ、ごめんなさい……。昔、義父にも 同じようなことを言われて……。
18. そうなのか？
19. 私があまりに他人を避けるので、 よく叱られるんです……。
20. エドマンド家の後継ぎならば、 最低限の社交性は身に付けろ、と。
21. 私にとって、その最低限のことが どれだけ大変か、わかろうともせず……。
22. 無神経だったと謝る
23. 何とかなると励ます
24. ……すまん。俺もお前の父さんと同じく、 無神経なことを言っちまった。
25. あ、いえ……あなたが悪いわけでは。
26. だが、こうして俺とは仲良くなれたし、 少しの努力で解決できるんじゃないか？
27. それは、そうかもしれませんが……。
28. ただ、やっぱり私は、多くの人とは 深く関わらないほうがいいと思うんです。
29. 何でそんなふうに思うんだ？
30. 私と関わり過ぎると、誰でも 不幸になってしまうから……
31. そんなわけないだろ？ 何を根拠に……
32. 本当に、そうなんです……！
33. だったら、どうして俺とはこうやって普通に 付き合ってるんだ？
34. そうですよね……本当は、あなたとも 距離を置くべきだったのに……。
35. あなたの優しさに、つい甘えてしまったの かもしれません……ごめんなさい。
36. これからは、なるべく離れていますから…… もう、行きますね。
37. おい、マリアンヌ！ ……参ったな。