1. うふふふっ……。 私はまた偉業を成してしまいましたわ。
  2. ああ、なんと恐ろしい才能でしょう。 私にかかれば新たな魔法の一つや二つ!
  3. いえ、まだ満足などできませんわね。 更なる高みを目指して……
  4. おーい! コンスタンツェ。 ちょっといいか?
  5. クロード? 何かしら、どうぞお入りなさい?
  6. おっと、魔道の実験中か? ちょうどいい。
  7. 何ですの、ちょうどいいとは。 私はちょうどよく納まるような小物では……
  8. いやいや、お前が何やら面白い魔法の 研究中だと聞いてな。その魔法が……
  9. おーっほっほっほっほ! よくぞ聞いてくれましたわ!
  10. 私の創出した新たなる魔法! それは、髪の 長さや形に影響を与える魔法ですのよ!
  11. これでフォドラの流行に革命が起こること、 間違いなしですわ!
  12. おお? 革命はともかく、凄い魔法だな。 そいつを見せてくれないか?
  13. 髪型を自由に変えられれば、とっさに 変装してその場をやり過ごすことも……。
  14. 構いませんわ! ならば、初の被験体は クロードということに致しましょう!
  15. 初? いや、ちょっと待った。 やっぱり俺は遠慮……
  16. おーっほっほっほっほっほっほ! 食らいなさい!
  17. ……どうなった?
  18. 成功ですわ! 貴方の髪形、たいそう 素晴らしいことになっておりますわよ。
  19. お前にそう言われてもな、 何がどうなってんだか……頭が、硬い?
  20. って、痛っ!? 何だよ、これ。 髪の毛が全部逆立ってるじゃないか!
  21. 怒った猫じゃあるまいし、流石にこの髪形が 流行るのは無理だろ……。
  22. 時代の先取りとは、そういうものですわ。 今は奇抜でも、問題ありませんのよ!
  23. それに、帽子も何もかも突き破りそうで、 目立つどころじゃないな、これは……。
  24. まあ! 私の魔法を受けるという栄誉に 浴しておきながら、文句ばかり……!
  25. いったい何のために、魔法を完成させた 私の元に馳せ参じたというのです!?
  26. それは悪かった。 俺の聞いた話とちょっと違ったんだ。
  27. あーいや、確かに凄い魔法だよ。 他の誰にも真似できない、凄い魔法だ。
  28. 何ですの、その慰めのような感想は……! 私が失敗したみたいではありませんか!
  29. いやいや、そんなことないって。 ただ、ちょっと使い道がな……。
  30. この屈辱、覚えていなさい! おーっほっほっほっほ!