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なあ、ドゥドゥー。 ファーガスも変わったな。
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……どういう意味だ?
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この街にいると、そう感じるんだよ。 アンタにはわからないか?
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何だかんだ、皆がアンタを信頼してる。 憎むべきファーガスの、王の従者を……だ。
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アンタらの努力の結果だろ。 良かったじゃないか。
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……おれの手柄ではない。 陛下が長らく努力されてきたからだ。
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ふーん……やっぱり、アイツなりに 前から考えてたことがあったんだろうな。
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昔は、ダスカー人のアンタを従者にして、 気でも触れたのかって言われてたが……。
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王城にも、そうした 口さがない者たちばかりだった。
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それで一度、何のためにおれを助けたのかと 陛下にお尋ねしたことがある。
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……陛下は、助けたいという思いの前に 信じる神や生まれなど関係ないと仰った。
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はは、レア様と同じことを言ったわけか。
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アンタがディミトリに助けられたように、 アタシも昔、レア様に救われたんだ。
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特に信心深いわけでもなかったアタシを、 あの人は二度も助けてくださった……。
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きっと二人とも、傷ついて困ってる奴を 放っとけない性質なんだろうな。
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……陛下も大司教様も、 似た者同士なのかもしれん。
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ああ。たまに立場を気にしないような 振る舞いをするところなんかも似てる。
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……どういうことだ?
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レア様は、大司教の立場なんか構いなしに、 孤児の遊び相手をしたりするんだよ。
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アイツもそういう奴だろ? この間は城下の ガキどもに剣を教えてやったと聞いたぞ。
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……ああ。
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おれとしては、たまの休暇の時くらいは 落ち着いて休んでもらいたいのだが……
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それが休息になってるんだろ? 他人の面倒を見るのが。
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休ませるのが部下の仕事なら、 好きにしてもらうのもそうだろうさ。
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……確かにそうだな。 あんたの話は、参考になる。
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よく似た主君に仕える者同士なんだ、 共感できる部分も多いのかもな。
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おれとあんたも、似た者同士なのだろうか。
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さあな。 けど、アンタと話は合いそうだ。
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苦労も、それが報われる喜びも、 きっと同じものを感じてきた二人だろ。
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二人の主が同じ方向を向いてる限り、 仲良くできるさ。
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……同感だ。 だがもしも、互いの主が道を違えた時は……
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おっと、わざわざ言わなくたっていい。 万一あの二人が剣を向け合ったとしても……
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アタシたちは躊躇なく殺し合える。 似た者同士なら、そうだよな?