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ふふふ。 待っていたぞ、ペトラ。
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フェルディナント、用事、 何か、ありますか?
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ああ……こほん。
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おお、麗しき君よ、異国より来たりし姫よ♪ 鋭き剣技の、鮮やかなる使い手よ♪
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私と共に、いざ剣の腕を磨かん♪
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………………。
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………………。
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……ど、どうかね? ブリギットの習慣を、実践してみたのだが。
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ブリギットの……習慣、ですか?
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ああ、つい先日、書物を読んで知ったのだ。
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ブリギットでは、王の一族に 何らかのお願いをする時……
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舞い、吟じながら、軽やかに願うと。 なかなか華々しい習慣だな。
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……解せません。ブリギット、 そのような、習慣、ない、ありません。
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なに!? いや、しかし……ブリギットでは 歌や舞が重んじられているのだろう?
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はい、ブリギット、確かです。 精霊、捧ぐ、歌、舞、あります。
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精霊に、捧ぐ? ということは、王の一族とは関係ない?
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……いえ、わかりました。 それ、誤訳、間違いないです。
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ブリギットの王、精霊、加護、願います。 その時、歌い、舞い、願う、します。
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王、願われる、誤る、誤りです。 精霊に、王、願う、正しいです。
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加えて、それ、特別な時のみ。 普通、突然、歌う、舞う、おかしいです。
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お、おかしい……。 いや、君の言うとおりではあるのだが……。
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ブリギットには、フォドラの常識では測れぬ 奇抜な習慣があるのかもしれないと……。
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フェルディナント、ブリギット、 愚か、思う、思っていますか?
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と、とんでもない。 いや、これは完全に私の落ち度だ。
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私としたことが、愚かにも書物の記述を 鵜呑みにしてしまうとは……!
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あなた、気にする、必要ないです。 本、間違い、よくある、ありますから。
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しかし……フォドラの貴族、おかしな人、 書いてある、本、事実、でしたか。
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貴族が、おかしな人!? そんなことが書いてある本があるとは!?
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「フォドラでは、貴族を、“奇人”と呼ぶ」 読みました。奇人、おかしな人、です。
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それを言うなら“貴人”であろう! 明らかに間違っているぞ!
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冗談、です、フェルディナント。 わたし、間違い、気づいています。
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奇人、貴人、違う、当然です。 わたし、本、騙される、騙されません。
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じょ、冗談!? 一杯食わされたというわけか……。
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くっ……もう騙されるのは、お腹一杯だ!
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一杯、食わされ、お腹、一杯? ……見事な技術です!!
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い、いや、今のは偶然の産物で……。 まあ、君が喜んでくれる分にはいいが……。