link ローレンツ volume_up
う……。
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ローレンツさん！ ……良かった。
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ここは……うっ、医務室か。 どうやら世話を……うぐっ！
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ローレンツさん、まだ寝たままで……！
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傷は、それほど深くないと聞きました……。 ただ頭を打ったので……。
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傷は深くないと、マヌエラ先生が……。 ただ頭を打ったので……。
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そうか……。 迷惑をかけたな。
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僕としたことが、あろうことか戦場で 意識を失ってしまうなど……。
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………………。
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マリアンヌさん、どうした？ 僕は無事だったのだ、気に病む必要はない。
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そんなこと、無理です……。
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ローレンツさんが怪我をしたのは、 私のせいなんですから……。
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私なんか、助からなくて良かった。 代わりに私が怪我すれば……。
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………………。
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……マリアンヌさん。 僕は幻覚を見ていたようだ。
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え……？
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あの時、僕を射抜くような視線を感じた。 その視線は、助けを求めているように思えた。
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そして確かに、見た気がしたんだ。 君の唇が「助けて」と動くのを。
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……だが、そうではなかったようだね。
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………………。
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だとしたら、僕が怪我をしたのは、 自業自得だろう。
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君が助けを望んでいると勝手に勘違いし、 無茶をしてしまったというだけの話さ。
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自業自得なんかじゃありません！
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自業自得なんかじゃ……。 本当は……私が、助けを……。
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マリアンヌさん……意地の悪い 言い方をして本当にすまなかった。
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だが、おかげで君の本心がわかった。 幻覚じゃなくて良かったよ。
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ずっと、死んでもいいと思っていました。 思っていたはずなのに……。
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あの時、あなたが来たのを見て、 死にたくない、と強く思ったんです。
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「生きたい」と……。
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……それでいいんだ、マリアンヌさん。
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誰もが生きたいと思うのは当然のことだ。 そこに資格など要らない。
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ローレンツさん……。
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……胸中を打ち明けてくれて感謝する。 共に生き残ろう、マリアンヌさん。
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……はい。 私のほうこそ……ありがとうございます。