link ユーリス volume_up
ふう……よし、こいつで最後だったか。 手伝わせちまって悪かったな、シルヴァン。
link シルヴァン volume_up
いいや、礼を言うのはこっちのほうだ。 まさか間者がいたとは気づかなかった。
link ユーリス volume_up
俺はむしろ間者やってた側の人間だからな。 奴らの考えてることは何となくわかるのさ。
link ユーリス volume_up
敵も相当手慣れてるようではあったが、 お前と同じだ。敵意の隠し方が甘い。
link シルヴァン volume_up
ここまで来ると、お前が鋭すぎるだけの ような気もしないでもないんだがなあ……。
link ユーリス volume_up
ンなもんは慣れだよ、慣れ。 それより俺はお前のほうに驚かされたね。
link ユーリス volume_up
間者がいるかもって教えてやった後の、 お前の腰の軽さったらなかった。
link ユーリス volume_up
それこそ女と飯にでも行くような気軽さで 間者の掃除に乗り出す奴がいるか。
link シルヴァン volume_up
ああいうのはさっさと始末したほうがいい。 陛下も事後報告で怒るような人じゃない。
link シルヴァン volume_up
大事なのは、俺たちが戦争に勝つこと…… 情報一つで勝敗が分かれちまうのが戦争だ。
link ユーリス volume_up
とはいえ、たとえ情報で優位を取ったって 武力で覆されちまうことはあるけどな。
link ユーリス volume_up
アリアンロッドが良い例だ。あの時は、 俺も完全に勝ったつもりでいたんだが……。
link シルヴァン volume_up
……十分酷い目には遭わされたけどな。 あれは騎士団や兄上の奮闘ありきの辛勝だ。
link シルヴァン volume_up
そこで死闘を演じた相手に、今は背中を 預けて戦ってるってのも妙な話だよ。
link ユーリス volume_up
お前にとっちゃ兄貴の仇だもんな、俺は。 仲間に引き入れるのも複雑だったろうよ。
link シルヴァン volume_up
そういうわけじゃない。お前を味方にして 戦争に勝てるなら、俺はそれでいいんだ。
link シルヴァン volume_up
初対面の時は、ただお前が信頼に足る相手か どうかを見極められてなかっただけで……。
link ユーリス volume_up
ふうん……で、今はどうだ? 俺様は信頼に足る相手だったか?
link シルヴァン volume_up
今のところはな。それに今回は、 お前の鼻に助けられちまったわけだし。
link シルヴァン volume_up
……とはいえ、ここは俺の守るべき場所だ。 裏切ったらどうなるか、お前もわかるだろ。
link ユーリス volume_up
軽薄なふりして、意外と忠義者なんだな。 そういう筋の通った奴は嫌いじゃないぜ。
link ユーリス volume_up
安心しな、今んとこ裏切る予定はねえよ。 これからも末永く仲良くしようぜ、御曹司。
link シルヴァン volume_up
ああ、頼むぜ。お前はいろいろと 話が早いから、こっちも妙に落ち着く。
link ユーリス volume_up
ほほう、これは相思相愛ってやつか? 逢瀬ならいつでも付き合ってやるが……
link ユーリス volume_up
その時には、初めて会った時よりもマシな 文句で口説いてくれよ? あれは酷かった!
link ユーリス volume_up
「やあ、小鳥のように可憐なお嬢さん! よかったら、少し向こうで話でも……」
link シルヴァン volume_up
ああもう、女の子だと勘違いしたのは 悪かったって。散々謝っただろうが!
link ユーリス volume_up
あははは! 次代のゴーティエ辺境伯を からかう種が出来ちまったよなあ!
link ユーリス volume_up
俺様は別に謝ってほしかったわけじゃねえ。 ほらこの顔だ、間違える奴だってよくいる。
link ユーリス volume_up
というか、女だってことにしてでも、 お前と話をしとくべきだったとさえ思う。
link ユーリス volume_up
次代の辺境伯閣下と、将来を見据えた 付き合いができるに越したことはねえしな。
link シルヴァン volume_up
なんとまあ熱烈な口説き文句だこと……。 ……悪い気がしねえ俺もどうかしてるな。
link ユーリス volume_up
そうだろ? 人を口説くってのは、 こういうふうにやるんだぜ、シルヴァン。
link シルヴァン volume_up
ったく……本当に敵に回したくない奴だよ。 お前が成り上がった理由もわかる気がする。
link シルヴァン volume_up
これからも頼むぜ。互いに将来を見据えた 付き合いってのを、しようじゃないか。